2006年11月25日

勤労感謝の日

土曜シャバット。

特にやることもなく、ぽかーんと過ごしています。

一昨日、日本の祝日だったというからなんだっただろう、と考えたら、『勤労感謝の日=勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあう日』だったんですね。


一時帰国していた時、あちこちに求人情報なるものが無料で置いてあって、暇ついでに手にとって読んでみましたが、日本にいれば、仕事が終わった後にサイドビジネスすることだって可能なんだよな・・・なんて思いました。
地元のスーパーだって夜25時まで営業、なんて書いてありましたし。


正社員として仕事を見つけるのは大変でも、フリーターの仕事って山のようにありますよね。実際、百円均一にしてもコンビニにしてもスーパーにしてもどこにしても、支えているのはフリーター。
10代から30代の2割がフリーターだそうです。
フリーターがどうのこうのと悪く言うワリには、結局、現代の日本経済を上手い具合に支えているのはフリーターという業務形態があるから。

帰国して、日本の物価がものすごく安いと思った。
百円均一にはどう考えても百円とは思えないような商品が山のようにある。千円出せばまとまった昼ごはんが食べられる。1980円のシャツだって全然悪くない。
どうしてこんなに安いのか?って、大量生産だからとか周辺アジア国で作っているからというだけじゃなく、単純に人件費が安いから。
フリーターがいるおかげで物価が安い。百円均一の店員が全員正社員だったら、全商品倍の値段がつくだろうし、そこらの牛丼屋にしてもラーメン屋にしても1杯千円出さないと無理。

一般的な時給800〜850円。フリーターの給料から源泉所得税だけを引き抜くだけで、社会保険も年金も、雇用主には何の負担もない。
ま、私が添乗員をしていた時にしても派遣社員や契約社員をしていた時にしても、国民保険で国民年金でしたからフリーターと同じ。ただ、「専属の契約添乗員」とか「派遣社員/契約社員」という漢字での名前があって、フリーターという言葉を使わないだけのこと。


日本のあちこちに行って、ネット配信の新聞や情報で書かれているように、経済格差が生じている、というのは確かに感じた。
高層マンションが建ち、新しい家がどんどん出来ている。
私が生まれた町ではどんどん土地買収が進んで、数年後には巨大複合商業施設も出来るらしい。

そりゃ、私が子供の時から、
「良い塾→良い中学→良い高校→良い大学→良い会社→・・・」
・・・なんていう言葉が横行していましたから、高層マンションに住んで、巨大複合商業施設でお買物が出来る人たちは、親や先生の言うとおりの「良いコース」を道踏み外さずに歩んできた人達。
今さら、そういうコースを歩まなかった私がどうこう言えるもんじゃない。
・・・ってか日本にいないからいいんだけれど。


以前、イスラエル人と話をしていて、
「どうして日本はそんなに栄えているのか?」
という話題になりました。

島国で資源が乏しいのに、ここまで栄えるのは、頭がいいからなのか? 
日本に住んでいるのは日本人だけだからなのか?

そうじゃない。
日本には、職業差別がないからです。

「え、あるじゃん」って思った方。そりゃ、ありますよ。あるにはある。
でもその差別は他の国の職業差別とは比べ物になりません。

私の母はハンダ工で今でも家で内職をしている。父は長年ドライバーで、定年になった今は資源回収の仕分けのバイトをしている。母の友人は午前は近所のビルの掃除パートをし、午後は趣味やスポーツに時間を費やしている。
中学時代の友人は、某引越しセンターのプロ掃除をしているし、小学生の娘がいる友人は、食品工場でパートをしている。

日本人がコレを聞いても「だからなんですか?」って思いますよね。
誰もがそれを仕事として受け止め、誰も恥ずかしいこととは思わない。
逆に、「定年後でも仕事があったり、手に職があるから自宅で内職ができるなんて、とってもうらやましいですね」って思うでしょう?


そう。これらを胸張っていえるのは、世界でも日本だけだと思うんです。


日本のかなりのビルに、清掃会社からスタッフが派遣で来ています。
トイレ清掃中。トイレに入ろうとドアを開けた人は、「あ、掃除中でしたか。スミマセン」と謝って出て行く。
掃除スタッフが掃除するんだから汚して構わない、とは誰も思わない。日本のトイレの床にはペーパーが散乱していないし、ゴミ箱のゴミもキレイに入っている。

日本の工場の工員には、作業する者として意見を言える場があり、管理者はその声に耳を傾けながらよりよく作業を出来る方法を見つけていく。だから作業者にプロ意識が湧いてくる。
プロ意識を持って働くからミスが少なく、明日も効率よく働くために、作業が終了したらキレイに掃除をし、使った工具を磨いて帰る。


他の国ではどうか。
掃除・工場の工員・単純な農作業など、イスラエルでは、「言葉が出来ない移民者」「学歴が低い人達」の仕事。
他の国では、移民・学歴に加えて、「出身や家柄が悪い者」の仕事。

こういった職業に就く人にインタビューをしても、「この国に移民する前、私は大卒で◎◎をしていたのに、今はこんな仕事しかない」「もっといい仕事がしたいけれど、私は○○系だからコレしか出来ない」とふてくされて答える。

従事する人間は、「どうせこんな仕事しか俺には出来ない・・・」と仕事に絶望感を抱きながら働く。「どうせ・・・」と思うからその程度の仕事しかしない。
そして世間は、「そんな仕事」とバカにする。思いっきり態度に出る。
どの国でもトイレが汚いのは、「どうせ私は・・・」と思う人が掃除をし、「どうせ・・・」と蔑視する人が使うから。
工場なんてもっと大変。
雇用主や指導側が、「こんな仕事しか出来ないヤツら」と工員をバカにして、工員が、「こんな仕事しか俺にはない」と、仕事に絶望感を抱いている状態。
どう考えても良い製品が出来るわけがない。不良品や欠損品が多くて当たり前。

どんなにすごい商品を開発しても、作る者がいい加減なら意味がない。
どんなにすごい商品を売っても、ゴミだらけで悪臭がする店では台無しです。


日本製品がなぜ優れているのか? 日本がなぜ栄えるのか?

日本には職業に貴賎がなく、お互いがお互いの仕事を尊重しあい、どの職業に就く人も、仕事のプロとしてプライドを持ってやっているからなのです。

そしてこれは、世界でも類を見ることない、日本の思想なのだ、と。
考えてみればスゴイ。貴族に士農工商そして華族・・・と身分差別が続いたこの日本が、戦後そういったシキタリがきれいさっぱり消えたと思ったら、職業差別が全くない世の中になっているんですから。
アタシって、よほど国粋主義。そのくせ在イスラエル。

私から日本の学校教育の話を引き出そうと思っていたその人は、なんだか調子が狂ったような顔をしていました。


話が長くなりましたが。


ちょうど日本にいる時、介護問題の特集をやっていました。
日本も老人介護人が足りないから、フィリピンから出稼ぎを入れようという話。


日本に外国人労働者を入れてどうなるか。
なんかこういうバランスがガラガラと崩れる気が怖いと思いませんか。
「あれは安く働く出稼ぎワーカーの仕事」

そう。同じような品質で百円均一で買えるものならば、わざわざスーパーやコンビニで198円で買わない、というのと同じ現象が生じてしまう気がするのです。
もちろん、「お金を倍払ってでも、日本人のプロ介護士に看てもらいたい」というお金持ちも多いだろうけれど。


フリーターをどうしたらいいか?と言っても解決法はなく、
外国人労働者の受け入れ枠を広げざるを得ない状況となり、
街はどんどん栄え、高級高層マンションが建ち、専門店が立ち並ぶ。

日本ってどんな風になるんでしょう。
大丈夫だよね?
posted by Heshbonit at 19:00| 真面目なたわごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月19日

死ぬんじゃねぇよ

ちょうど日本にいた時、イジメによって中学生が自殺したという問題があり、連日連夜、イジメや自殺に関する話題ばかりを報道していました。1ヵ月経過しましたが、今もネット配信のニュースを見ると同じような問題が続いているようですね。

一方で、履修科目不足だとかで、それに伴って校長先生が自殺してしまったという話題までありまして、「え、それだけで死んじゃう?」と・・・。


自殺。

もちろん、イスラエルにもあります。
経済苦の自殺、というのがほとんどのようですが、実態は分かりません。全ての自殺を報道しているとは思えないし。
というのも、宗教上で自殺を忌み嫌うため、家族が報道拒否するようです。
とはいっても、自殺を悪と見なす思想が強いものの、だったらそんなに宗教的思想が蔓延しているのか?といえば、そうでもないのですけれど。

ただ少なくとも、「責任を取るために自殺」「己の名誉を守らんがための自殺」というのはないでしょう。
命をどうこうするのはともかく、自分や家族の生活を犠牲にしてまで責任を全うする、なんていう人を探す方が難しいです。
これは他の国にも言えると思いますが。


日本には昔から、「自殺」の同意語として「自決」という言葉がある。
武士が己の名誉を守らんがために命を絶つ姿は、日本人ならば誰もが「有終の美」として称えたくなるものです。
また、今は昔の大和撫子たちは、暴行に遭いそうになったり、暴行されてしまった後、自らを恥じて自殺するということもよくありました。
武士も大和撫子も、「生き恥をさらすよりも、自らの命を断つことを潔しとする」という封建時代の思想です。

しかし、日本古来の自決と、目の前の問題から逃げ出すために自殺する現代社会の人間を同列に並べることはできません。
確かに、どちらも自殺する勇気などではなく、生き恥をさらす勇気ないから逃げるだけのことですが、それが「逃げ場がなく、己の力ではどうしようもなかった封建時代」と比べたら、話が違うのですから。

日本古来の自決は、小乗仏教の影響を少なからず受けているのではないかと思います。
小乗仏教には、「灰身滅智」といい、煩悩の塊である己の体を燃やすことで煩悩を消滅させる、という言葉があります。つまり、自殺を肯定してしまっているのです。
しかし、自分の体を燃やしてしまったら何も残らないのだから、ある意味、一番苦しいものの一番早い修行回避方法、のような気がしてなりません。


さて。
今はすっかりこの有り様な私ですが、暴力的なイジメではありませんが、小中学校のクラスや部活の友達からの集団無視・悪口・陰口や、中学の先輩の呼び出し・脅しを受けたことがあります。
信じられない? まぁ、当時は今ほど強くなかったから(笑)、体が小さい方で病気持ちで学校を休んでばかり・・・、とイジメの対象になる要素を持ち合わせていました。
ただ、長期間に亘るものではなく、かつ、特定グループや一部の先輩連中からのイジメだったため、友達がいないわけではなかったですが。

もし、クラス全員によるイジメで延々と続いたり、暴力的なものになったら、それに立ち向かえたかどうか、自信はありません。
苦しく辛い目に遭って、生きている意味が分からなくなり、死を選ぶほど追い詰められる辛さは、想像を絶する世界でしょう。


はたして、死んだら天国があるのでしょうか。
死んだ先に天国や地獄があるのなら、なぜ人間は生まれるのでしょうか。
ずっと天国にいればいいと思いませんか? 或いはずっと地獄で苦しんでいればいいでしょう。なんのために生まれるのでしょう?

そう。日本人のほとんどが、「次に生まれてくる時は・・・」と思うでしょう。

自殺者もきっとそう。遺書にも書いているかもしれません。

「次に生まれる時は、イジメのない幸せな毎日を送れますように・・・」
「次に生まれる時は、あくせく働くサラリーマンなんかじゃなく・・・」


来世や輪廻を夢見るならば、こう考えてほしい。


人間は、天から降ってくるのでも、地面から湧いてくるのでもない。
父親と母親から生まれるのです。
自分の命を断つことは、両親・祖父母・祖先を損じることであり、
そして、来世における自分の子供や孫達を殺すことを意味します。


現世の命を自ら放棄した者が、来世に幸せになれると思えますか?



いじめる側の人間に何を言っても無駄です。
彼らは、自分なりの正当な理由を作って、「こいつが悪いから無視してもいい・こいつは悪いんだから悪口を言ってもいい」と決めているわけで、その人たちに「いじめるな」と言っても、「いじめているんじゃありません。私達は正しいのです」と開き直るだけです。

仕事上の問題だってそうでしょう。
中高年サラリーマンの自殺云々と言っても、自殺した人の上司は、「私は上司として指導しただけです。他の社員はノルマをこなしているのだから、彼個人の能力の問題です」と言うに決まっています。



イジメから逃れる手段はいくらでもある。仕事の責任なんてどうでもいい。
学校休めばいい。会社辞めてくればいい。それだけのことじゃん。
今の世の中、いくらでも逃げ場があるじゃん。

腹が立ってくる。
ちっとは頭使えよ。
自分だけが苦しいとか思ってんじゃねぇよ。

イジメくらいで死ぬんじゃねぇよ。
posted by Heshbonit at 20:00| 真面目なたわごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月09日

赤ちゃんポスト

こんなニュースを従弟がブログで取り上げていました。

抜粋するとこういう内容。

事情があって親が育てられない新生児を受け入れる「赤ちゃんポスト」(通称・こうのとりのゆりかご)を、熊本市の慈恵病院(蓮田晶一院長)が年内にも設置する計画を進めていることが9日、分かった。ドイツですでに導入されているが、実現すれば国内初となる。
計画によると、病院の窓を外部から開けられるようにした箱型の「ポスト」を設置。内部は保育器と同じ状態に保たれ、新生児が入れられるとナースステーションで警報が鳴る仕組み。
同病院の蓮田太二理事長(産婦人科)が平成16年にドイツを視察、「赤ちゃんを育てられないと悩む人が、匿名で預けるところがあれば」と、準備を進めてきた。


・・・。

あのですね・・・。
いくらなんでも、それはないでしょう。
こうなると、犬や猫と同様な気がしてしまうのは私だけではないでしょう。

女性:「あーあ、産まれちゃったよ。まいったなぁ、お金もないっていうのにさ。この箱に置いてけばいいんだよね? お願いしまぁす」
病院:「あら、今日は女の子が入っているわ。じゃ、引き取り人が見つかるまで預かりましょう」

:「小型で静かなメス犬がほしいんですが。雑種でもいいです」
:「この猫、カワイイ。メスですよね。じゃあ、引き取ります」
:「黒髪で色白の女の子はいますか? この子ねぇ・・・。うーん、可愛いけれど、私の目が一重なので同じような目でないと困るなぁ」


産みたくても産めない人がいて、産みたくないのに妊娠する人がいる。
だったら、産めない人に産みたくない人が産んだ子供をあげましょう。
そりゃ、需要と供給のバランスを満たしているような気がします。

でも、出生の明らかでない子供、欲しいですか?
子供の時には分からなくても、日本人同士の間に生まれた子供でない可能性もあり、乳児の時には分からなくても何らかの病気を抱えて生まれている可能性もあります。
どこまで面倒が見られるのでしょうか。

もし日本人の子供だと思い込んで引き取った子供が、育っていく過程でどうも日本人とは思えないような顔立ちになり、よくよく調べてみたら外国人との混血だったとか、快楽とお金のために誰とでも寝た結果で生まれた子供だった・・・、なんてことがあったとしても、何の問題もなく育てることが出来るでしょうか。


あーあ、こんなはずじゃなかった。引き取らなきゃよかった。
丈夫な子だったらよかったのに、また病院に連れて行かなくちゃ。
しかし眼がつりあがってヘンな顔だな。どこの誰が親だったんだろう。
どうしてこんなにバカなの? 親はロクな女じゃなかったんでしょうね。
お前がどうしても子供が欲しいって言ったからだ。今更何を言うんだ!
なによ、あなたのお母さんが、子供を産めってうるさくいったせいよ!



イスラエルにおいてはどうでしょうか。
「産めよ増やせよ」という言葉で知られているものの、最近は少子化が進み、一般的家庭では子供2人くらいが平均です。子供が多い家は、「よほどお金持ちなんですね〜」という、羨望の目で見られます。
『貧乏人の子沢山』ならぬ、『金持ちの子沢山』です。

共働きのイスラエル人家庭の平均収入は1万シェケル弱(≒25万円)で、税金各種保険天引き後の手取りが7千シェケル程度(≒17.5万円)なのに対し、保育園の月謝が1人当たり1500〜2000シェケル(4〜5万)。
つまり、収入の3割近くが保育園に消えていくのですから、単純計算して保育園児が3人いたら破産します(平均収入は年齢を考慮してないため、若い夫婦なら収入はもっと低いです)。
義務教育課程においてもそれなりにお金はかかりますし、最近は(日本ほどではないにしても)習い事をさせる家庭が増えていますから、子供がいるというのは大変なことです。
それだけに、爺さん婆さんからの援助に頼る人が大半ですけれど。


イスラエルは子供を非常に大切にする国で、子供を産めない女性に対する風当たりは相当なものです。犬猫馬鶏以下という目で見られる、と言っても過言ではありません。
また、そういう言動は侮辱でも差別でもなんでもなく、あくまでも産めない女が悪い、としか思われません(子供が出来ない理由は、女性側だけではないはずですが・・・)。

これは、宗教心というよりも、『中東』という風土に根ざした考えでしょう。
だから意地でも子供を産まないと、と女性がムキになる風潮が非常に強い。
切羽詰った挙句、結婚もしていないのに、「女として認めてほしい」と、精子バンクで種付して、シングルマザーの道を選ぶ人もかなりいるのです。これには驚きますよ。本末転倒とはまさにこのことじゃないでしょうか。

そして実は、子供が産めない人も多いです。
イスラエルでは、不妊に関するホルモン治療は、保険でまかなわれます。
ホストマザー的存在のサラレの所(リフレクソロジスト)には、この不妊治療をかねて訪れる人も多いと言いますが、彼女はいかなる不妊治療には反対しています(尤も、施術してほしい、という人に断るわけにはいかないため、施術しているそうですが)。
無理に産むことで、母体も胎児も危険な状況になったり、なんらかの障害を抱えて産まれることが後を絶たないそうです。

そりゃそうでしょう。便秘を治すのと同じレベルではありませんよ。
人間の体は便利に出来ていますから、母胎が不適切な状況だから子供が出来ないわけで、それを、薬やらホルモン注射やらツボ治療でムリヤリ産める状態にしたらどうなるか・・・。
『ユダヤ人=多産』という公式は、現代医学の高度な不妊治療技術によって保たれている、と言っても過言ではありません。
もちろん、いとも簡単に子供が出来てしまう人も多いですが。


日本だって同じコトでしょうね。代理母問題などもよく上がりますし。

そうなると、『私は無理だけれど子供が欲しい→不妊治療もダメだったし、代理母も難しい→里親になろうか→じゃ、赤ちゃんポストで貰ってこよう』という図式が出来てしまうのでしょうか。


こうのとりのゆりかご、なんて可愛い名前を付けても、育てられない子供をコインロッカーに入れるのと同じこと。コインロッカーとの違いは、扉の先に保育器が付いているかどうか。
つまり、『捨て子専用無料ロッカー・保育器付き
日本はどんどん便利な世の中になりますね。


子供さえいれば幸せ、とはいえないはず。
子供が将来の面倒をみてくれる保証はどこにもない。
そのくらい分かっているでしょう。この世界を見れば。
もし子供が面倒をみてくれるなら、介護保険なんて要りません。
アジアの出稼ぎ労働者を、介護士として雇う必要もありません。


少なくとも、ルーツが不明な子供っていうのは、親にしても子供にしても、あまりにも辛いことではないのだろうか。


日本に帰国した折に、「大地の子」を買った。
以前、図書館で借りて読んだことがあり、今回は手元に置きたかったから。


満州開拓団として送られた家族の日本人の子供が中国残留孤児となり、慈愛深い養父母に出会い、普通の人間ならば耐えられないほどの苦難に遭いながらも、持ち前の精神力と頭脳で人生を切り開き、優しい妻と可愛い子供に恵まれた。
それでも自分のルーツに触れ、劇的に実の父を知る。
血の繋がった親と育ての親。
実の父の家を訪ね、仏壇の前に座った時、心の奥からこみ上げてくる深い安堵と望郷の念は、消し去ることが出来かった・・・。


そんな自分のルーツさえない子供。
育ての親がどれだけ隠しても、それを知ってしまったら?

自分はどこから来たのか、それすらも分からない。

「生まれなければよかった・・・」と、考える日が来るだろう。

「産まなければよかった・・・」と、実の親が子供を病院のポストに置き去りにした時と同じように・・・。
posted by Heshbonit at 19:00| 真面目なたわごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月06日

美人は美人らしく・・・

さて。
ネットのニュースを見ていたら、こんなのが。

【ニューヨーク5日共同】女優の藤原紀香さん(34)が撮影した東ティモールの子供らの写真展が5日、国連本部で開かれ、藤原さんは「子供たちが夢を抱いている国には明るい未来がある」とあいさつ、2002年にインドネシアから独立した東ティモールの復興支援を訴えた。過去にアフガニスタンやカンボジアの現状を伝える写真展を開いている藤原さんに対し、国連側が撮影を依頼。

ふーむ。
こういうのを読んで、「すっげぇ、そらぞらしー」って思うのは私だけ?
ってか、彼女に関しては特に。

彼女、プロレス(だか何だか知らないけれど)の大ファンで、「マッチョな男が戦う姿が素晴らしいパンチ」とか言って、そういう番組の司会とかしているでしょ?
平和が一番だの戦争反対だの子供の未来だの何だのって言ってるくせに、あなたのプロレス好きは、一体なに?
バクバク好きなだけ食べて体を鍛えて、血だらけになって倒れる相手をさらに殴って蹴って踏みつけて、それで相手を完全にノックダウンしてガッツポーズ。会場の皆で勝った男を称える。そしてまたバクバク食べて体を鍛えて、相手を殴って蹴って踏みつけて血だらけにして、それを生業にして、妻を娶い、子供を育てる。

闘う必要も危険性もないのに、相手を殴り倒して血だらけにする職業が存在するんだから、マジで平和だわ。
で、あなた、それ見てキャーキャー言って、楽しいの? 
それって、異常じゃない?

そりゃ、戦争はよくないさ。知っているよ。
だけどね、世の中そんなキレイ事ばっか言ってられないんだよ。
話し合って済むほど、世界は簡単じゃないんだよね。
殺したくなくても、銃の使い方を習わなくちゃいけない。
戦いたくなくても、向こうから飛んでくるものは避けられない。
そして、いきなりレストランやバスが爆破されたりする。
子供の写真撮ったらなに? 国連で見せるとなに? また寄付?
言っとくけど、子供の瞳がキラキラしてるのは、目がでっかいからだよ。
父ちゃん・・・。

ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーが国連親善大使だの平和活動だの・・・っていうのも、なんかね・・・。
彼女は今、アフリカ某国で出産するために、莫大なお金をかけてボディーガードを付けているよね? 
同じアフリカでも、子供を産むのに命がけだったり、産まれた子供が危険な状態だったり、成人まで生きられるのが何割・・・なんていう国が大半のアフリカ大陸で、お金持ちで美人な私は、マスコミの目を避けるだけのために彼と一緒にノンビリとご出産・・・ってわけ。
彼女がブラッド・ピットと一緒に出演した映画、機内で見たんですけれど、「派手なアクションが・・・」とかいう触れ込みだったけれど、これでもか!ってくらい強烈に、いろんな物を壊すんですよ。もう、すごいのなんのって。あんなにいろいろと壊す映画、そうないです。
感想は、「もったいない・・・」。
あれだけあったら、何千人何万人救えるだろう。

ってかつまりさ、金持ちで美人なのは見りゃ分かるから、いいじゃん、それで。
ヘタな手段を売名行為するのってやめなよって思うんですよ。
当の本人は、「私はパーフェクトな美人ってだけじゃなく、こうやって困っている人達のためにも尽くすんです揺れるハート」っていう思惑で、ついでに「節税目的」だったりして、近い将来「美」が崩れた時の滑り止め気分なんだろうけれど、言っていることとやってること、すっごい矛盾してて、ハタから見たら滑稽ですよ。
あなた達にとっては、それが食べていく手段のひとつでも、闘う人も貧乏な人も生きるのに必死な人もいつ爆発するか分からない毎日の人も、ホントにすごい必死なんです。
セレブ美人なら、なんとか姉妹みたいに、セレブ美人一直線で貫いて下さい。


以上。「渡航の延期をお勧めします」な地域に住む、貧乏ブチャイク経理部員のたわごとです。。
posted by Heshbonit at 16:00| 真面目なたわごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月29日

憂国

果てしなくやることのないシャバットです。
記事内容にしたら、先週も先々週も1年前の今月シャバットも同じようなことを書いているでしょう。
「ちょっと遅くまで寝てて洗濯して掃除してパン焼いてテレビボケーっと見て・・・」

ホントにやることないんです。しょうがないんです。
しょうがない日はネットサーフィンです。

さて、こんな記事を読んでしまいました。

限界集落とは、
『65歳以上の高齢者が、人口比率で住民の50%を超えた集落』だそうです。

自慢じゃないですが、私が住んでいるのも同じようなものです。
あ、住民2人とかじゃないですよ。ブログでは登場人物が非常に少ないですが、とりあえず村の人口300人強です。
ただ、過疎化は進んでいます。これはどこも同じでしょう。私の村だけではなく、この近隣の村もそうだし、イスラエルの地方の村の大半が過疎化に悩んでいます。将来的にどうなるか予想も付きません
ってか予想したくないです、今は・・・。


ま、それはともかく。話題を日本へ・・・。

読んで驚きましたね。日本にこんな所があるなんて考えもしませんでした。
私が生まれ育ったのは普通の住宅地で、生活に困ることは一切なく、都心に出るのも便利で終電で無理なく帰ってこられる距離。
多少の差はあっても、皆そんなようなものかとばかり思っていた・・・。

高齢者が2人きりになった集落、何も出来ないのでしょうか?
心臓が悪い88歳の女性が山道を40分も這い歩いて診療所に行く、なんてありえるのでしょうか?
そういえば、2004年10月の新潟の地震で、山古志村が壊滅的被害を受けましたが、あの時に驚いたのは、この現代社会で水道設備がない村があったということでした(注:水道開通5ヶ月目にして被災)


海外に出てとても不思議に思うのは日本の財政です。
面白いデータを見つけました。
現在の日本財政を家計にたとえると
月手取り平均:40万
月々の借入金:15万(←要返済)
月の家計費 :40万
田舎に仕送り:13万
今月の不足分:13万(←15万返済のために13万借りた)
今月総借入金:28万
皆赤字。凄すぎ・・・。
消費者金融が、「おまとめローンを組みましょう!」とジャンジャン電話かけてくること間違いなしです。
でももはや、普通の消費者金融は手出ししませんね、これじゃ。

えー、家計費(支出)は何ですか?
一番多いのが、社会保障費で全体の23%だそうですが、それ以外に無駄遣いしていませんか?
はーい、私、知ってます。
あちこち、寄付するのが好きですよね?
借金しているくせに、寄付するんですよ。
いえね、寄付が悪いとはいいませんよ。でもそれは自分に余裕がある時にすべきことであって、母ちゃんも兄ちゃんも姉ちゃんも婆ちゃんも食べるものに困っているのに、どうして他所の人にお金を上げようとか考えるかな?

「「困っている人を助ける。人間として当たり前のことだ」

父ちゃんが、人がいいのは分かるよ。困っている人もテレビで見たしさ。
でも、「俺様が寄付してやる」ってかっこつけたい気持ち、あるだろ?
そりゃうちは昔、金持ちだったさ。外車を乗り回した時代もあったさ。でもそれはうちが金持ちだったんじゃなくて、父ちゃんの会社の景気が良かっただけじゃん。
あの時、なんだか分かんないけれど、バンバンお金使ったよね。
婆ちゃんはまだ元気で海外旅行に年4回は行ってたし、母ちゃんは専業主婦で株式投資やってたし、兄ちゃんは車しょっちゅう買い替えてたし、姉ちゃんは肩パット入った派手なスーツ買い込んでたしさ。

父ちゃん、もう時代が違うんだよ。はじけちゃったんだよ。
父ちゃんの給料も激減しただろ。婆ちゃんの病院代、高いんだよ。母ちゃんだって腰が痛いのにパートしているし、兄ちゃんも残業手当ゼロで過労死寸前。姉ちゃんも今じゃユニクロ着てるよ。
寄付頼まれたら、「うちは貧乏だから」って断ればいいじゃん。

「紛争地の子供達の目がみんなキラキラと輝いていた。私は、希望に輝く子供達の瞳を曇らせてはならないと強く思った。彼らの将来に少しでも役に立てば・・・」

バカだなー、父ちゃん、よく見ろよ。
奴らは、父ちゃんと違って、目がデッカイんだよ。
そんでもって、出目で睫毛が長くて皮膚の色が濃いから、白目んとこがすっげー際立って、だから光がいっぱい当たってキラキラして見えるんだよ。
「一重で奥目・睫毛ちょぼちょぼ・笑うと糸目」のモンゴロイド系ハニワ顔とは、ぜんぜん違うんだよ。
痛っえ! 父ちゃん、何も父ちゃんのことだけ言ったんじゃないよ・・・。

それにさ、あいつら、皆が皆、貧乏じゃねぇんだぞ。
金持っている奴はすっげぇ持っているんだから、そんなに金ばっか寄付してどうするんだよ。これまで父ちゃんが寄付したお金、どこにいったか知ってんのか。
なに? だから今度は「物」で寄付するだぁ?
ほんと、父ちゃん、これだから困るんだよなー。
やつら、売っちゃうんだよ。売って違うモン買ったりするんだから。
それに、その「物」だって結局買うんだろ。さっきから言ってんじゃん。うちは金がねぇんだよ。

「うるせぇな。寄付300億円。国民1人当たり250円。いいじゃねぇか!」

それじゃまるで父ちゃん、「1日たったコーヒー1杯分!」とか言うインチキ教材販売みたいじゃねぇか。もうやだ〜(悲しい顔)

日本にはさ、おばあちゃんが2人しかいない村もあるし、診療所まで山道這っていく所もあるし、山は荒れ果てるし、大変なんだよ。
そういうのを見ないで、また他所んちに寄付かよ?

***---***---***---***---***

えー、とにかく。
日本に税金を納めていないくせに言うのはなんですが、
国連やら諸外国への寄付を抑えることも、借金返済のためにはとても重要なことなんです。その辺を分かってください。
あ、分かっていただけました? あら、どちらへ?
え、アフリカ・・・? 
父ちゃん・・・。


 誰かと思ったら・・・
posted by Heshbonit at 20:00| 真面目なたわごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月15日

消費者金融に思う

〔本日の天気 曇り

昨日が南西ハムシーンで暑かったと思えば、天気図によると今日は北西から冷たい空気が入り込んできているようで、なかなか涼しくて過ごしやすい。
そんな休日、少量の小麦粉でパンを焼く。(4日連続)。
今日もカイザーゼンメル。だんだんコツが分かってきました。

*---*---*---*---*---*---*---*---*

さて、アイフルが営業停止だそうで。
消費者金融も大変ですね。

実は私、派遣で2ヶ月半ほど、消費者金融で働いたことがあります。
「前の人が退職・新しい社員が入って慣れるまで」という契約だったため、ちょっと半端な契約期間で円満終了したのですが。
内容は、かなりマイナーな消費者金融の支店での事務補佐。
郵便物(DM)を出したり、電話の取次ぎをしたり、頼まれた分の入力をしたり、ファイリングしたりなど、本当に補佐的な仕事だけでした。

ほら、イメージで、消費者金融って凄い所だろう?って思いますよね。
実は入る前、派遣会社の人にも、「本当にいいんですか? イヤなら断ってくださいね」と言われたりしたんで、内心はとても心配していたんですけれど。
それに、私はお金を貸すのも借りるのも大っ嫌いで、消費者金融の存在自体がとても嫌いなんですが、前の派遣が終わった直後、無職で家でボケっとしているのはイヤだったし、いつも経理ばっかり選べないし、ま、「怖いモノ見たさ」の気持ちがあったものですから。
確かに、短い期間ではありましたが、良い社会勉強でした。
「こういう仕組みなのか・・・」って。

支店長がとてもいい人で、「消費者金融に派遣が来てくれるだけで有難い」と、私が何をしても、「ありがとう。ご苦労様です」とおっしゃる非常に腰の低い方。確か私よりも2歳ほど年上だとおっしゃっていたのですが(20代後半@当時)、見事なまでに貫禄がありました。
他の社員もとにかく親切で、コレが本当に消費者金融?と驚いたほど。
考えてみても、私が派遣で勤めた中で一番親切な職場でしたね。
別の大手消費者金融で働いていたことがあるという女性社員は、「ここは本当に暖かくて仕事がしやすい。前にいた大手は凄かった」と言っていました。「派遣さんなんて雰囲気に驚いて1日で辞めちゃう人もいましたよ」と。

私が派遣をしていた時は、インターネットが今ほど普及していなかった時代でしたので、支店はそれなりに忙しかったです。
消費者金融の1日って言ったら、一般社員は電話勧誘に追われます。
過去の顧客リストから貸せそうな人をピックアップし、データバンクで現在の借り状況を調べ、一定条件を満たしていれば、そこに勧誘電話を掛けるのです。
そして、顧客が「じゃ、貸してください」と言ったら、必要な書類を送ってもらい、こちらでもいろいろ調べ、全ての条件が揃えば、相手の銀行口座にお金を振り込んで、契約終了。
  「○万、決まりました ふくろ
  「おめでとうございますぴかぴか(新しい) (←皆で声を揃えて言う)
事務補佐の派遣の私には一切勧誘などの仕事はせず、顧客から電話がかかってきても取り次ぐだけだから、気楽なものでしたが。
一度、本社から視察に来た人が、「他の支店では派遣も勧誘をやっている。派遣の彼女にもやらせては・・・」と言ったのに対し、支店長が、「彼女は事務補佐で来てもらっているのですから、勧誘はさせません。彼女がやりたいと言っても契約違反になります」と断固として拒否して下さいました。


今でも忘れられないシーンがあります。
ある日、女子社員がお金の計算を間違えてしまい、それが何回目かだったらしく、いつもは優しい支店長がちょっとキツイ口調で彼女に諭しました。

「俺達は人にお金を貸して、その高い利子で給料をもらうという、汚い仕事をしているんだ。借りた人がその利子を返すのにどれだけ苦労して働いたか分かるか? だから俺達は、お金の間違いなんて絶対に許されないんだよ」

この一言を聞いた時、ビックリしました。
支店長の言葉が、あまりにも正論だったので・・・。


皆が皆、こういう気持ちならば・・・? 
それは不可能でしょう。金貸しなんだから。
キレイゴトじゃない世界ですからね。
いつもは温和な支店長だって、督促電話をかけてたし・・・。

貸す人全員がいい人じゃないし、借りる人全員がいい人じゃない。
無理にでも貸す・何が何でも取り返す・そしてまた貸す・・・∞。
借りる側だって同じ。
無理でも借りる・返せなくて渋る・そしてまた借りる・・・∞。


日本に帰って驚くのが、消費者金融の看板。
先日、9年ぶりに一時帰国したというX氏が、
「どこの駅前にも消費者金融の看板だらけ。景気が回復したと言っても、その日本経済っていうのは消費者金融で持っているんでしょうか?」
と非常に驚いていました。
確かに。見たら本当に驚きますよね。

借りないに越したことはないです。それが業者でも友達でも親でも。
ご利用は計画的に。お金は大事ですからね。

ちなみに・・・
posted by Heshbonit at 16:00| 真面目なたわごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月10日

老人と鳥

〔本日の天気 晴れ

出勤。
とにかく忙しいです。
春になって農業関係が本格的に始動し、さらに観光シーズン到来とあって、請求書の量がハンパじゃありません。
全ての請求書は一旦経理部に送られ、それを各職場の担当者に振り分けて承認印をもらわなければならないのですが、納品書と照らし合わせたり、仕分けをするだけでも一苦労。
私の担当の地方庁経由の支払いは、〆日が14日。今月は13日が祝日で15日がシャバットだから、〆日が週明けの16日だけれど、各部署の担当がそれまでに承認印を返してくれるとは限らない。
で、払わないと買掛先から怒鳴り込み電話が殺到する・・・。
ヒート通り越して、キレかかりながら仕事。


*---*---*---*---*---*---*---*---*



さて、今日の夕方、ホストマザー(的存在)のサラレの家に行き、昨日の血液検査の結果の話や、日常の話をしながら、のんびりとリフレクソロジーを受けました。

S:「あなたの家の方にも最近、孔雀が徘徊している?」
私:「あー、しているしている。あれ、どうして?」


ここ最近、村中を5羽の孔雀が徘徊しています。
朝早くから夕方まで、村の中をのんびりとウロウロし、芝生の中を突っついて、なかなかユーモラスです。
うちの村はとても狭く、居住地域は家が密集していて、孔雀が徘徊できるような環境なんです・・・。

S:「以前、村に小動物園があったでしょ? 彼女達はフェンスの中にじっとしているのが嫌いで、いつも工場の辺りをウロウロしていたのよ。でも村のペンションの増設に伴って小動物園を移転して縮小してしまったじゃない。それで今度は私の家のあたりをウロウロしはじめたの。私は鳥が大好きだから、毎朝餌をあげていた。彼女達はトウモロコシが大好きなのよ。
 ところが、先日、ある人が来て言ったの。
『鳥のインフルエンザが流行っているこの時期に、孔雀に餌をやったりしないでくれ』って。
 言い返したかったけれど、この年で嫌われ者になるのはイヤだから、孔雀にはかわいそうだけれど、餌をあげるのはやめたのよ。それに最近、この近くで住宅建設工事が始まって、彼女達が徘徊できる場所がどんどんなくなって、それであなたの家の方まで行くようになったわけ」


なるほどね・・・。
孔雀はおとなしいから、特に何かをするわけじゃないし、面白いなぁ位にしか考えていなかったけれど、『鳥インフルエンザ騒動』が上がった影響で孔雀たちも肩身の狭い思いをしているわけね・・・。

S:「テロや戦争で死んだり、交通事故で死んだりするのに比べたら、鳥のインフルエンザで死ぬのは自然だわ。どうせ何かで死ぬんだから」
ま、確かにそうなんですが・・・。


S:「最近、この村の老人である会に入るのが流行っているのよ」
私:「ある会、って、なに?」
S:「テルアビブの緊急電話センターに入るの」
私:「なにそれ?」
S:「たとえば、もし私が急に具合が悪くなったら、そのセンターに短縮ダイアルで電話をするとセンターから電話がかかって来て、北部地域の緊急隊に連絡してくれるの。
 それ以外にも、日常の小さなことでも何でも電話して相談できるの。たとえば、ラジオの使い方が分からないとか、ビデオが急に動かなくなったとか。面白いでしょ? 月会費も高くないのよ」

私:「ちょ、ちょっと、サラレ、サラレ! どうして私に電話しないの? 私は毎日経理部にいるんだから、あなたが具合が悪くなって、テルアビブの緊急センターに電話して、北部のどこからか緊急隊が来て・・・、そんなことをやっている暇があったら私が来たら5分もかからないじゃないの。
 それにラジオの使い方にビデオの故障? 私に聞けばいいじゃないの」


彼女はニコニコ笑っているだけだった。
それどころじゃない。彼女には5人の子供と20人近い孫がいる。
彼女の隣家も向かいも「老人仲間」で、頻繁に話をしているというのに。
それに、老人仲間の誰もが、孫や子供が頻繁に来ているというのに。

分かっている。
彼女のような高齢者がそんな会に加入するのは、この村の現状に強烈な不安を抱いているからだ。
この村だけじゃない。この国の現状に強い不安がある。
だから、「電話で専門の人が来てくれる・アドバイスをしてくれる」というシステムに参加しようなんて考えるのかしれない。


先日の総選挙で、ギムライーム(年金受給者党)が大幅に伸び、120議席中7議席を獲得するという快挙に出た。
この村でも、ギムライームに投票した人が10人ほどいたらしい。現在の高齢者数の半数に近い。

社会保障が整っていると詠うだけで、イスラエルのの高齢者福祉は非常におざなりで、「年なんだからしょうがない」と放りっぱなしになる可能性がとても高い。
日本や他の国と同様に少子化もどんどん進み、私の村の30〜40代では「子供は2人で十分」というのが主流。もっと上の世代でも、3人以上子供がいる人は少ない。
簿記教室で一緒だった友達も、「本当はもう1人ほしいけれど、住宅や教育のことを考えると2人が精一杯」と言っていた。


S:「子供なんてアテにならない。国だって村だって何をしてくれとは期待しない。子供には子供のやることがあるんだから。だから緊急センターに入ったのよ。もちろん使わないに越したことはないけれどね」



安心料のつもりなのかもしれない。
顔の見えない他人の声を聞いて安心できるのだろうか。

posted by Heshbonit at 20:00| 真面目なたわごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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