2009年03月23日

イ国とイ国の事情

イスラエルの新聞サイトに、「核・イラン・アメリカ」なんていう言葉があったから何事かと思ってクリックしたら、

「ピスタチオ」

ヘブ語の「核」と「種」は同じ単語。ま、人目を惹くようにわざと引っ掛けたタイトルを付けたようです。ええ、見事に引っかかりました。

現在、イスラエルに流通しているピスタチオの9割は、イラン製です。
もちろんイランとイスラエルは国交断絶状態で法律上も輸出入禁止となっているため、トルコ経由でトルコ製ってことになっていますが、誰もが知っています。

現行では、このイラン製トルコ経由ピスタチオに関しては、輸入免税扱いになっております。
関税とは、国の税収と自国産業の保護のために課せられる税で、通常、免税措置を受けられるのは、「単価が特に安いこと」「自国にない」「国際関係上、輸入量を増大させるため」といったような理由が主です。
しかし、このピスタチオは理由が別。関税を課すことで、「イラン製品を輸入してよい」という意味になってしまうから、だそうだ。

ピスタチオの産地、1位イラン、2位トルコ、3位US・カリフォルニア。
なぜトルコ経由ならトルコのピスタチオを入れないのか?ってのは私は知らん。

今回、名乗り出てきたのは、3位のアメリカ。
「国交を断絶しているイランから買うのはけしからん。そんなにイラン製を買いたいなら関税を課すべきだ」 しかも税率23%。高すぎだってばよ。

イランピスタチオに関税を課すと、Born in the USAよりも高くなる。だからうちのを買えばいいんだ、と。なんかそんなこと、日本に対しても昔からよくやってませんでした?
なんでもアメリカさん、イスラエルに「ピスタチオ覆面調査団」まで送って、市場調査をしているらしい。ホントかどうかは不明。
でも読んでみると、カリフォルニア産のほうが高いけれど味がよろしいらしい。でもイスラエル人は安くてそれよりもちょっと質が落ちるイラン産を好むらしい。

アメリカ、単なる圧力じゃなく本格的な指令に移行する気配があるそうだ。イスラエルも、国際問題に発展する前になんとかしなくちゃいけないとかなんとか。

ここで、注釈。
確かにイスラエルに来ているイラン産ピスタチオ、質が悪いです。
しかし、革命前までイランに住んでいた知人曰く(注:1979年までイスラエルとイランは仲良しでした)、「本当にイラン産とはどうにも信じがたい。こんな酷いピスタチオ、イランでは見たことがない。たぶんイスラエルが買い付けているのは、加工用ピスタチオだ」。
イランの国内を流通しているピスタチオ、大ぶりで粒ぞろいで色鮮やかで味もよく、新年の贈り物などには欠かせないものだったそうです。


ピスタチオね、ちょっと大げさですが、私が開眼した食べ物です。
20歳でギリシャ旅行をした時のこと。ツアーで早朝アテネに到着し、そのまま市内観光に。観光途中のバスの中、同じツアーの人が「よかったらどうぞ」とくれたのが見たこともない木の実・ピスタチオだった。聞いたら、観光名所付近の屋台で買ったのよ、と。
いやー、ホントね、この話をすると皆「そりゃ大げさだよ」って笑うんですけど、とにかくビックリしたんです。
私はこんな小さな木の実の存在すら知らなかったんだ!って。世の中、知らないことが多すぎる・もっといっぱい見たい知りたい、と。

あの時、ピスタチオにそんなに感動してなかったら、こんな人生じゃなかったかもしれない。いやでもどう考えてもなんであんなにピスタチオに感激したのか自分でも分かんないんですけど。
第一、ピスタチオ、滅多に食べないし。

◎今日のイラン映画
3年か前にドイツチャンネル(ドイツ語吹き替え)で見たのですが、先日Veohでも見つけて、そのよさを再確認しました。
こんなにシンプルで、こんなに共感できて、こんなにハラハラして、こんなにハッピーな気持ちになれる映画、他にはないと思います。
アカデミー賞外国語映画賞の有力作品だったのですが、こんな冒涜映画に負けてしまいました。ま、ハリウッドですからね、この手の題材の映画はアカデミーを取れるように出来ているんですけど。
見たことがない人はぜひとも見てほしいです。
ハリウッドの天才子役なんて吹き飛びます。
 
ひらめき 関連記事:イ国とイ国の事情−2 …あれから3年。
 
   
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2009年02月23日

0.75%

今日の夕方、イスラエル銀行(Bank Israel)がまた政策金利を下げました。
噂は少し前から立っていたものの、1%を切ったら最後じゃないか?っていう懸念の声も高かったのですが、イスラエルの大手銀行が相次いで損失発表している今、もうどうしようもないですよね。
今の日本と同じには同じなんですが、この下落の勢いを見たらすごいです
いつの間にか、日本では公定歩合って言わなくなったのね・・・。

リビットバメシェク

プライムレートだって1年前は5.75%だったけど、今や2.25%。
1年前なら1年物定期で年3%近い利息が付いていたけど、今では日本と同じで年利小数点。銀行は単なる金庫状態。(現時点ではペイオフの限度はない)。

先日、長年イスラエルに住んでいた日本人の方が日本に引き上げた・・・という噂を聞きました。
少し前まではそういう話を聞くと必ず動揺し、「今もしも、日本に帰ったらどうだろう・・・」なんて、甘い甘い妄想を描いたこともありますが、特別な家庭事情でもない限り、動けないです、怖くて。こう不景気だと動かないって言うのが一番かも。
なんたって、私の親が言いませんから。
 
◎今日の即興
こんな風に歌えたり弾けたりしたら楽しいだろうな。
 
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2009年02月22日

右折

たまにはちょいとばかり、マジメな話でも

2週間ほど前に総選挙がありました。
イスラエルの国会(クネセト)は一院120議席の比例代表制。小国ですから。
選挙結果は、現在の第一党であるカディマ党が28議席、リクード党が27議席という大接戦で終わりました。(予測ではリクードが第一党だった)。

左右折衷カディマ党の党首は、クリーンだと言われているツィッピー・リブニー女史。対する右派リクードは、首相経験もあるベニヤミン(ビビ)・ネタニヤフ氏。
国民にとって、政治家はクリーンであることが望ましいのですが、政界というところはクリーンでは事が進まない。リブニー女史がクリーンであるのは国民にとってはイメージがよくても、政界で生きていくには非力なわけ。

1つにここは中東である。中東というのは男性優位であるのが望ましい。
そしてここはイスラエル。軍が絶大な威力を持っている。
何もこれは「軍事国家」っていうんじゃない。日本で言えば、「警察官の結束が固い」っていうのと同じ。女性はどうしても軍でのキャリアがない。ま、ある人もそれなりにいますけど、リブニー女史にはない。
この国は「血統書」や「経済力」や「地元の援助」よりも、「貴様と俺は同じ釜の飯」が圧倒的に強い。ネタニヤフ氏は、本人の軍歴はそこそこなんだけれど、お兄さんが国民的英雄なのであっちこっちに顔が利くのです。
だから、党が違う議員同士が国会の廊下で話をしたり、党が違っても同じパーティーに出て並んで談笑したりする。他の国では絶対にありえないだろうけどイスラエルではそれが普通。
でもリブニー女史はそういうキャリアもコネもない一匹狼状態。そりゃそうよ。クリーンな人間ってつまり、友達がいないってことなんだから。

もう1つ大事なことは、リブニー女史にはカリスマ性が全くない。弁護士で頭は非常に切れて行動力はあるが、リーダーになれるような器の人じゃないから。
左右両方の議員に声を掛けてカディマ結成に踏み切ったアリエル・シャロン元首相が病に倒れ、御大シモン・ペレスが直接為政権のない大統領になり、シャロン元首相の腰巾着だったエフード・オルマート首相は何の成果も出せない上に汚職発覚。
社長と専務と部長がいなくなり、いきなり課長が社長になったたようなもの。
確かに彼女は一番出来る課長さんだけど、同じような課長さんはゴロゴロいる下克上状態だから、党内の結束をまとめるだけでも一苦労。
当選後、リブニー課長は過半数の61議席を占める与党となるべく組閣をしなくてはならないのだが、なんたってリクード、第一党になると信じて選挙前からガンガン交渉していたんだから、彼女が立ち入る場所がない。

もう一度説明をしますが、カディマ党っていうのは、以前は右派リクード党にいた議員と左派労働党にいた議員がそれぞれ離脱して結成した党。
それだけに特にリクード党と仲が悪くて当然なわけで、リクード党は「カディマとは絶対に組まない」と選挙前から宣言していた。
ペレス大長老じゃなくて大統領も、仲を取り持とうと頑張ってみたものの、こりゃどう考えてもカディマに勝ち目はなさそうってのは分かる。
そして今日、完全にネタニヤフ率いるリクード党が組閣権を獲得しました。

今夜、リクードとカディマで党首会談をしているようですが、カディマはカディマで、「ここでリクードとやろうよ」っていう声もあれば、「リクード党と一緒になるなら野党になるべきだ」という声も上がっています。
リクードはリクードで上に書いたように、「なんで出て行った奴らと組むんだ?」という声が出ている。どうなるものでしょうか。
ま、組閣っていうのは、文字通り「誰がどの大臣をするか?」が大事ですから、それ如何でまた党内の議員が、「僕がXX大臣をしたかったのにー!」と揉めたり割れたりするし。

日本では「これで和平が遠のく・・・」などと、左側の翼しか生えていない各マスコミの駐在員が相変わらず自分の思い込みで記事を書いていますが、私は政治家としてネタニヤフ氏が大好きで、今回は首相になってほしいと思っていました。
今のイスラエルの政治家の中で、揺るがない確固とした意見を持ち、カリスマ性があって国内外に顔が利き、かつ首相になる器があるのは彼くらいです。
前回の選挙以降、カディマは党方針が何なのか、どこに行こうとしているのか、何を目指しているのか、当事者達も分かっていないような状況でした。もう目前の課題をこなすだけでいっぱいいっぱい。しかもそれも何の成果も出せなかった。

「中道カディマ」なんていう表現をされているけれど、実際の為政を見たら、何をして中道というのか分からない。だから敢えて私は左右折衷と表現しています。
多くの国民が軌道調整してほしいと思っていた。前回の選挙では13議席まで落ちたリクードが、今回は倍以上の27議席まで増えたのはそれが理由です。

イスラエルに限ったことではなく、現代社会では、右派というのは「右」というだけでよく思われないものです。単なるイメージでしかないんですけどね。だからって左派がなら全てが穏便にいくわけでもないし、「いいよいいよ」って言いなりになって左折ばっかりして政治が上手くいくものじゃない。
アメリカの選挙にしてもそうだったでしょ。マケインvsオバマは、何にもしないうちに「ヒールvsヒーロー」っていう固定観念に当てはめていた。

まぁでも、ロシア系移民が党首の超右党や、さらに別の意味での宗教的右党と組むのはちょっとな・・・、とは思いますけど、しょうがないよね。
喧嘩別れみたいな形で別の党を結成した人達と組んで与党になって仲良くしろ、なんて双方にとって到底無理なことです。(今、話し合っているそうですが)。
だからって、カディマ党が党首になって組もうとしたら、労働党と宗教党シャスはともかく、さらに共産系な極左党と雑魚党しか残っていなかったんだから。リブニー自身や今のカディマ党の上位を占めている議員が右派リクード出身なんだから、どうやって極左なんかと仲良くできる?

カディマ(前進)党は指針をなくしたまま迷走し、T字路に差し掛かった。右か左かしかなく、自分達が運転し続けるには左折しかない。あとは、右に行くバスに乗るか、それともT字路で降りるか。
とにかく、これ以上自分達の力で前進するのは不可能であるということは、張本人たちが一番分かっていたことです。
ま、唯一のオプションとして、もしもカディマ党の党首がリブニー課長じゃなく、党首選で僅差で負けたモファズ課長(元参謀総長)だったら、ネタニヤフ氏らと上手くやれたかも…しれなかったけど。

もちろん、村じゃこんなことは言えません。大体、私が住んでいるような村っていうのは、労働党や共産系極左党の支持が主体で、それでも近年になってからは従来ほどの左支持ではなくなっては来ているけれど、選挙権もない外国人が「ネタニヤフ、イイコト言うよね〜」なんて言ったら、頭がおかしくなったのかと思われます。

◎今日のイマイ
船にカンバンがあるんですか?
 
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2009年02月19日

天気予報がちっとも当たらぬ

どの国でも「天気予報が当たらない」っていうのはあると思いますが、イスラエルは本当に全く当たりません。天気予報士は注目してほしくて、セリフ代わりにドラマティックに言います。

今週は昨日と今日が晴れるという予報、でしたが、昨日は雨がぱらつくおかしな天気で、今日は快晴のはずが未明からすごい強風でどんより。
でも、洗濯するなら今日しかない、と朝大急ぎで洗濯して出勤したものの太陽は全く出ず。でも、強風のおかげで昼に帰った時にはカラカラに乾いてました。
昨夜ですよ、昨夜のTVで、『北部は明日は快晴』って。しかもここまで強風とは言わなかったじゃん。どうして12時間後の天気すら予測できないかな。

あ、それで。
北部は雲が多い強風だけれど空気はとてもきれいでしたが、都心部はシナイ半島からの季節風で、すっごい状態だったらしい。

ズィフム・アヴィール

空の便も見合わせやらキャンセルやら。
こういう日は喘息の人や心疾患がある人は大変です。北部も、北や東からの季節風で視界がオレンジ色になる日があります。あなおそろしや。

明日から火曜日まで雨みたい。どこまで当たるか分かりませんが...。
 
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2009年02月15日

悩める羊と羊飼い

何も書くことがない。っていうか、人様のブログにはいくらでも書けるんですが、自分のことで書けることがない。
グチブログにはしない、というのがコンセプトなので、「書かない・書けない」ってのはそういう状況だと理解していただければ。
ま、私の悩みなんて自分のことばっかですから、家族やその他のことでいろいろな悩みを抱えている人に比べたら、私なんてぜんぜんですけどね。

さて。
宗教的なことに関して非常に難しくてセンシティブな国ですが、そうは言っても悩む人は悩みます。
生まれて此の方、「民族=宗教」という括りで、宗教をそのまま受け入れて完全に体得している人もいれば、そうはいかない人もそれなりにいるものです。

宗教ではないのですが、週末の報道特集番組でこんな人が出ていました。
B_wh.jpg
(気持ち悪いから小さくしておきます。クリックで大きくなります)

ゴエル・ラツォン。60歳。テルアビブ在住。
32人の「妻」である女性とその間に生まれた86人の子供がいるそうだ。
いわゆる千石イエスみたいな人です。
彼に仕える女性&子供は、家族親戚との連絡をしてはならず、他の男と口を利いてはならず、彼だけに奉仕する生活を送るとか。いやはや。

ユダヤ教では、「母親がユダヤ人である」という一点に関してはとても厳しいのですが、父親が誰であるか?に関してはそれほど問いません。
法的には認知さえすればよく、それが他に何十人も産ませている種馬であっても、女性が納得していれば法律は何も言いません(日本も同じですよね)。
国籍や民族が違うと面倒ですが、イスラエル人でユダヤ人なんですから、たとえこの男が怪しいと周囲が分かっても、法律は何もできないのです。

人間生きていればいろいろな悩みにぶつかります。
しかし、その悩みを誰と話し、どう解決するかっていうのがね。

誰がどう見ても、ゴエル・ラツォンなんて男は危険だろう...、って思うんですけれど、この国では家庭内暴力が日常茶飯事で、なんとかそういう男と離婚できても、慰謝料も養育費も貰えずに行き場を失う女性が、本当にたくさんいます。
そんな時にこの手の男に知り合って、その傘下にいる同じような思いの女性と一緒にいると、「ああ、自分だけじゃないんだ」と居心地のよくなって抜けられなくなってしまうのでしょうか。千石イエスもそうだったようですし。

また、「種馬」と一口に書きましたが、この国では、子供を産めない女性は本当に人間扱いされません。シングルマザーでも試験管でも、とにかく子供を産みさえすればいい、というある意味歪んだ思想が蔓延しています。
だからって誰でもが結婚できるわけじゃなく、試験管は手続きが面倒。そんな時にはゴエル・ラツォン。何もいわず植えつけて、認知までしてくれる。どうやら、そういう人もいるようです。

あとまぁ、インド大好きなヒッピー系の女の成れの果てみたいな。
どうもこの男、インドヒッピー上がりみたいな感じで、服装やら身の回りのものやら、そういうもので統一しています。ドラッグやっててもおかしくないかもしれませんね。
 
ただ一点、ゴエル・ラツォン、本名なんでしょうか。
「ゴエル=解き放つ・救出する」「ラツォン=望み・欲求」
・・・なんか出来過ぎ。

ひらめき 追記(2010年1月15日)
あれから約1年、ゴエル・ラツォンもようやく逮捕されたようです。
朝から検索がすごい勢いで来ているのでビックリしました。
当ブログは、無断リンク・無断引用は絶対禁止にしております。
何卒ご理解ください。
  
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2009年01月14日

北でもボン

今回は南部で起きていることなのであまり時事的なことは書きたくないと思い、ずっと控えていたんですけれど、残念ながら、私が住むエリアでも今日はレバノン領内からロケット砲3発、飛んできました。

出勤してすぐにサイレンが鳴りました。
「なに? 訓練?」「サイレンが鳴るか、試してんじゃない?」
なんて気楽なことを言ってまして、その間、事務長や事業部長らは各所に電話して確認したりと。
こういう時、村役場で働いてるってのはラクです。
が、役場には「どうなっているんだ?」という電話が鳴ります。

結果は、キリヤットシュモナの近くにロケット砲3発。被害はありませんでしたけど。で、国境10km範囲の特別厳戒地域に入る村は、自動的に鳴るそうだ。

圏内はシェルター付近で待機、と言われていましたが、こののほほん村がするわけがない。結局、待機は2時間で解除されました。
旧職場のボス(今は自営業)は、仕事で国境に近い村にいたそうで、ものすごい厳戒態勢で「今すぐシェルターに入れ」とワーワー言われ,面倒だから帰ろうとしたら検問もすごくて大変だったそうだ。

村の各所にある集合式の地下シェルターは、こんな感じです。
シェルター入口

うちの村の個人家庭では、元々コンクリ製の家はシェルターがなく、ブロック建造の家は1部屋堅固なコンクリ製のシェルター室を設けるようになっています。私の家は、建て増した1部屋を除いてはコンクリなので、シェルター室はありません。

この階段を下っていくと地下。位置的には地下2階。
寒いのよねぇ・・・

扉は鉄製で密封できます。内部はただガランとしているだけ(単なる部屋で撮っても意味ないから割愛)。トイレと簡易シャワー(水だけ)はあります。
もー、国連さぁ、ホントに何してんの? 


世界中がこの国のニュースで持ちきりで、世界中がこの国を悪く書いています。
悪意を持っているとしか思えない新聞記者がこぞってイスラエルを悪く書き、世界中がそれを信じる。世界中がそう書くからそれを信じる。それには国の方針も絡んでいますから、仕方ないことかもしれない。
実際、中にいる人間にしか分からないことなのだと痛感する。
それにしても、常日頃はマスコミは信用できないとか何とか言うくせに、この問題になるといきなりマスコミの報道を100%信じる、ってとっても純朴ですね。ちょっとは考える頭を持とうよ。

今、イスラエルがしているのは、対テロ戦争です。
世界中のどこもが未だ体験したことのない、ものすごい闘いです。
だから、テロが何か、という根本的なことが分からない人達に、これが何かを理解せよと言っても分からないのです。

イスラエル建国から60年。この国が建国当時とは違うのと同様に、アチラ側も最早、「可哀想な難民が住む土地」ではありません。
世界が映しているのは、プロパガンダの部分です。
もしも仮に、もしもそうだとしたら、・・・あの地に住んでいるのが飢えて可哀想な人達ばかりならば・・・、イスラエルはわざわざ精鋭部隊を送り込んだりしない。
そしてもし、世界が言うように、この国が極悪非道で恐怖政治体制の軍事国家であるならば、私がこの国に住めるわけがないし、自ら住むわけがないでしょう。

まぁでも確かにアチラも可哀想ですね。あんな指導者しかいないんだから。
子供を総動員して地下トンネルを掘らせ、食糧よりも武器を買い漁る。首脳部は一部は国外に逃亡、一部は地下に潜っている。逃げ場を失った市民は盾にされる。
でもそれも、住民が選挙で選んだ指導者で政府なのですから、自分達が望んだ結果がこれなのであって、今さらこっちのせいにされても・・・。
posted by Heshbonit at 20:00| イ国のニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月14日

ビザなし労働者

スコットで休日。
「休みが多いですね」なんていわないように。
イスラエルの年間祝日は正味9日ですよ。今回のスコットは「祝週」ですが、一般的にははじめと終わりの2日が全休で、1週間丸々休めるのは学校関係者くらいです。
たとえば日本は新年って言ったら、サービス業以外ならば、晦日から正月3日間で計5日休めるんだし、なんといっても振替休日があるんですから。イスラエルは祝日が土曜日にぶつかったら、それはそれってことでおしまいです。

さて。
毎年スコット云々って書いてますから目新しい話は何もありません。
ということで、こんなニュース。

マテウス監督、新天地イスラエルで観光ビザの期限切れにより逮捕

 元バイエルン・ミュンヘンの名選手で、今シーズンからイスラエルのマッカビ・ネタニヤを率いているローター・マテウス監督が、同国テルアビブのベン・グリオン空港で、労働ビザの不携帯および観光ビザの期限切れを理由に一時身柄を拘束された。
 ドイツ『キッカー』紙によると、マテウス監督は10日、ベン・グリオン空港の警備員に逮捕された。その後、関係者などがイスラエルのさまざまな政治家へ連絡をつけたことで、同国リーグの首位を走るチームを率いるマテウス監督は、最終的には何とか釈放されたとのことだ。
 なおイスラエル政府は、クラブが状況を解決するまでの期間として、マテウス監督に新たに1週間の観光ビザを交付したとのことだ。


数日前のイスラエルの新聞にも載っていました。
マテウスはドイツの有名サッカー選手で、今年7月から、マカビーネタニヤの監督に就任したそうですが、ビザの手続きが取れていなかったそうです。
イスラエルの教育科学スポーツ省は彼の労働を認めたものの、通産省の認可が遅れていたとかで、そういう手続き上の問題で、彼は観光ビザのままだった、と。

イスラエルの3ヶ月観光ビザ(B2)は、先進国の国籍を持つ人なら誰でも空港で取れ、イスラエル国内にいる限りは追加3ヶ月の延長が可能です。
それ以上の更新をするなら、1度イスラエル国外に出なければなりませんが、先進国の国籍を持つ人ならば、入国時に問題なく3ヶ月分のビザをもらえるでしょう。ま、逮捕っていうのは大げさでしょう。イスラエルのニュースでは逮捕されたとは報じていません。

 この件について、チームを率いるために旅行者用の3カ月の観光ビザを使っていたマテウス監督は「このような種類のささいな事も解決できないクラブは、これまで見たことはなかった」と、それまでのクラブのまずい対応を嘆いた。

これが身柄を拘束された理由かな。
日本の記事では「クラブの対応が・・・」って言っているけれど、ヘブ語版の新聞では、マテウスさんが空港係員に文句を言った、となっています。
喚いたんでしょ、英語かドイツ語で。

「オレ様を誰だと思っているんだ。わざわざ貧乏国イスラエルに来て監督してやるっていうのに、入国させないとは何事だ。Fァック! Sョイッセ!」
いやもちろん、大人ですからこうハッキリ言わなかっただろうけど、そういう態度がピシピシ出ていたんでしょうね。

まず、観光ビザで働いちゃいけないんですよ。どの国でも。
あなたは正式な監督として収入を得、さらに今後も継続して働こうとしているのに、ビザ持っていない。
どんなに有名なサッカーの監督だろうがバスケの選手だろうが、老人介護のフィリピン人だろうが農業従事のタイ人だろうが、労働ビザなしで働くってことがバレバレな外国人を入れることは出来ないんです。それが法律ですから。
通産省の認可が遅れていた理由は分かりませんが、まぁでも彼本人に何らかの問題があったんじゃないの? この国にもガイジン助っ人サッカー選手やバスケ選手がいますから、「助っ人選手はいいけど監督はダメ」なんていう理由で手続きが遅れるとは思えません。

その上、係員にたてついた。これはもう拘束するしかないです。どんな国でもそうですが、その場でワーワー言わせるのはジャマですから、別室に連れて行きます。
まぁ、その点は途上国からの労働者とは違って、地元有力者やそのつながりの政治家なんかに掛け合ってなんとか入国させることは出来たんだろうけれど、それでは問題解決にはなりません。

イスラエルの空港は他の国と同様、国境警備隊(軍≒防衛省・警察省)と内務省と運輸省が管轄となっています。(それ以外のいろんな組織はともかく)
この件に関して、外国人のビザを管理する立場にある内務省は、「早く手続きを進めて、内務省に報告してくれなければ、こちらとしては対応のしようがない」とコメントしています。そりゃそうでしょうね。

私自身がガイジンでこの国の宗教とは全く無縁だっていうのに、こうして永住権を持って生活していますが、イスラエルってそんなに酷い国じゃないです。
法的手続きをきちんと踏んで、それが役所に認められれば、可能なんですよ。
第一、永住権の私のIDカードと、イスラエル生まれの生粋のイスラエル人のIDカード、表面上は何の変化もないんですからね(今後、電子チップ化した時に変わるかも、という話はありますが)。
もし区別したかったら、日本のように永住ガイジンにはガイジン専用のIDを発行するはずでしょう。

過去に「私はこんなに酷い目に遭った!」って豪語する人達と会ったり、内務省をボロクソ言ったり、人伝いにビザ取得のトラブルの話を聞いたりしたけれど、「あー、それじゃ仕方ないなぁ」って思える面がたくさんありました。本人にその自覚が全くないだけです。
ってか「あなた何様のつもり?」って思うんです。「私にはビザを出して当然でしょ」と思っているその考えがどこから来るのか分からない。
今回のマテウスさんにしても、たぶんもう少し下手に出ていたら、対応は絶対に違っていたでしょうね。

もちろん、私が行く内務省だけが特に優しいのではなく、それなりに厳しい対応も見てきました。
自分の親の介護をするフィリピン人のビザ関係でワーワー喚くイスラエル人に、「あなたがその態度を継続しても、私達は法律に基づいて動いているのだから、感情では絶対にビザを発行しない」と毅然と言ったり。
NY訛りの強い英語でペラペラ早口で捲くし立てる正統派ユダヤ人に対して、「ユダヤ人としてイスラエルに住むなら、きちんとヘブライ語で話しなさい」と言ったり。(←この時はちょっとスっとした)。
何も厳しいのは、外国人や異教徒に対してだけではないのです。

ひらめき関連記事:
イスラエル出国の注意
永住権取りました
内務省へ
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2008年10月06日

お隣さんの言いがかり

何度も何度も「イスラエル料理なんてものは存在しない」と書いてきました。

2千年前に離散したユダヤ人が、20世紀になって戻ってきて建国した国だから、純粋なイスラエル料理というものはなく、それぞれが住んでいた国での料理や、この地にいたアラブ系住民から習った料理が、現在のイスラエル料理である、と。

この「アラブ系住民から習った料理」のいくつかが、今は『イスラエル料理』として、アメリカやヨーロッパの街角で見られるようになっています。

たとえば、ファラフェルとか
ジャンクなファラフェル

フムス(ホモス)というヒヨコ豆のペーストとか。
アッコーのホモス

このコトに対して、隣国レバノンが急に怒りだした。
イスラエルの料理じゃないのに、奴らが盗みやがった!

「ファラフェルもフムスも、本来はレバノン料理である。それをイスラエルが盗んで、イスラエル料理として世界中で売っているがために、世界の市場を混乱させ、オリジナルであるレバノン料理を逼迫している」

は、はぁ...。でも、そうは言ってもですね、レバノン一国ではなく、他の国でもフツーに作っていると思うんですが...。

「許さーん! イスラエルを訴えてやる。そして国際法で『これらの料理はレバノン料理である』と認めさせてやるーーー!」

国際法???

レバノンがこれほど強気なのは、ギリシャのフェタチーズ商標に由来している。
フェタチーズは山羊や羊から作る白いチーズで、バルカン半島では極一般的なチーズなんですが、「フェタ」という名前はギリシャ語。だから「ドイツ産フェタ」とか「デンマーク産フェタ」なんていうのもは認められません。

EUには、「原産地名称保護制度」という法律があります。これは「それぞれの国のオリジナルを守ろう」というものであり、現在世界で「フェタ」と名乗れるチーズは、ギリシャ製フェタチーズか、ギリシャのフェタチーズ協会から認定を受けた商品に限る、となっています。
尤も、バルカン半島諸国では、同じ製法のチーズがあり、それぞれの言語の名前で呼ばれていますが、それはそれはそれで勝手にすればよし。
問題は、ギリシャ以外の国がギリシャ語の「フェタ」という商品名に使うこと。つまり、ギリシャの許可なく「フェタ」と名乗るのはダメと。そういうことです。

つまり、レバノンもそれと同じ事をしたいわけ。
ファラフェルやらホムスやらは、レバノン固有の料理である。
だから、イスラエルはその名前を使ってはならない。
使うならば、レバノンの許可を得て、名前使用料を払え、と。
そういう揉め事をしたいらしい。

第一次ファラフェル・フムス戦争なるか?

って、この程度の揉め事ならいいけどね。
国境の向こうからロケット砲飛んでくんのは堪ったもんじゃないから。

ま、なんにしても無理でしょう。
エジプトでもシリアでもヨルダンでもその名前で通っているし、イスラエル人がレバノンにスパイを送り込んで盗んだのではなく、この地に住んでいたアラブ系住民から習ったのであり、現在、その彼らはイスラエル国籍となって、イスラエル国内のアラブ系の町でもその名前で売っています。
本人達は「レバノン固有」って言ってるけど、レバノンという国が確立したのはイスラエル建国のちょっと前で、それまでと言ったら、オスマン帝国下、しかもトルコ風になったりエジプト風になったり、地中海風になったり大陸風になったり、どこからどこまでが国境という区別も漠然としかなく、ゴッチャゴチャだったんだから。

第一、ファラフェルは元々古代エジプト発祥ではないかといわれているし、ホモスはやはり古代オリエント時代から存在していて、その上、「ヒヨコマメを使った料理」という記録が古代ローマにもあるらしいです。(レシピはないがおそらく現在のホモスの原型と思われる)。
レバノンはそれ以外にもサラダやその他の料理に関しても言及しているけれど、本当にレバノン発祥なのかっていったら不明。同じサラダ、ゴラン高原に住むシリア系ドルーズ族の名物にもなっていますから。

ま、もうそのぜんぜん前の問題で、ペルシャ湾岸から北アフリカまで、みーんなアラビア語を使っているわけですから、どこをどうやって「名前の商標登録」ができるのか、そういうことですよ。
ってか、ファラフェルもフムスも、語源を立証できないんですから、どうがんばっても、レバノンオリジナル、は立証できません。
それに第一、大嫌いなイスラエルやユダヤ人に関してはともかく、シリアやエジプトに「名前使用料」を払わせるだけの力、ある?


それ言うなら、寿司もそうしようよ。
なーんちゃって寿司、多すぎる。
イスラエルなんか、「寿司=巻く」だと思ってるから、キッチンペーパーまで「スシ」っていう名前使ってるもん。
  
posted by Heshbonit at 20:00| イ国のニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月18日

431票差

イスラエルの第一党である左右折衷党みたいなカディマの首相選出選挙がありました。首相選出は党員による投票です。

新聞等の予想では、今回選出されたツィッピー・リブニ女史(現副首相・外相)が楽勝だろうと言われ、さらに出口調査でも彼女が圧倒的に優勢だったのに、開票してみたら、2位との差が431票・・・。
皆、調査では本当のことを言わなかったらしい。ま、うちの村でもよくこういうことがあります。ここは中東です。絶対に誰も信用してはいけません。
2位になってしまったモファズ氏(現運輸相・元イスラエル軍参謀総長)、軍ガラミの底力の強さを見せ付けるすごい結果となりました。

レバノン戦争の引責辞任もしなかったオルメルト首相が不正疑惑出追求されまくってようやく辞めるって言った後の選挙だから、どっちにしろ短命内閣になるのは見えています。
そして総選挙となると、危ないだろうな。前回総選挙では第一党にはなったけれどなんだか趣旨が見えない党だから、このままトップで存続できるかどうか。

そんなイ国のニュースでした。

あ、そうそう。
以前書いた悲惨な殺害事件(交通事故)の判決が出ました。
実刑判決、懲役16年。
過失の交通事故ならともかく、アルコールと麻薬の常習者でどうしようもないのに、たった16年。出てきたらのうのうと暮らせるんでしょ。
こうなると殺され損ですね・・・。

先日も、高齢者を襲った暴漢(26歳)の判決が懲役10年だったんですが、それに対して暴漢の母親が、「10年なんて・・・。残念。これなら殺せばよかったのに」。
あーあ、もう。

日本のモンスターペアレンツなんてかわいいかわいい。
posted by Heshbonit at 19:00| イ国のニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月26日

ウィークエンダー

一昨日の夕方、
「3ヶ月前から4歳のローズちゃんが行方不明です。
 碧眼で栗毛、身長90cm。心当たりのある方は警察まで連絡ください」

と報道された。
3日前じゃなくて、3ヶ月前? なにそれ。
捜査のために公開された写真はなぜか周囲にいる人間にボカシが入っているし、ローズちゃんの姓も発表されない。誰もが、「この子の親がどうにかしたんでしょ?」と思った。どう考えても、こんな行方不明者発表なんて、有り得ないですからね。

今日の昼少し前、「ローズちゃん殺害容疑で、祖父と母親逮捕!」

祖父と母親・・・。ふーん、なんか面白いコンビネーションだこと。

が!
読み進めていて、唖然。
ってか理解するのに相当時間を要しました。
あまりにもゴチャゴチャなんで、図にしてみました(ヒマ人)。
♪パッパラッパラッパ〜 (ウィークエンダー風。え、知らない?)。

ことの起こりは1980年代後半。
イスラエルに旅行に来たフランス人の女性のエリザベス(当時20歳)が、イスラエル人のロニーと知り合い、妊娠してしまいました。
エリザベスは妊娠したままフランスに帰って男の子を出産。ベンジャミンと名づけ、シングルマザーとしてフランスで育てました。
成長したベンジャミンは、イスラエルに住んだりフランスに住んだりとちょろちょろし、2002年にフランス人のマリーとフランスで結婚。2人の間にローズが生まれます。
 
ベンジャミンがマリーに言う。「イスラエルの親父に、孫のローズを見せよう」
おじいちゃんに孫を抱かせるのもいいことだ、とマリーもイスラエル旅行に賛成。一家そろってイスラエルを訪問した。これが運命の分かれ道。

帰りの飛行機に乗ったのは、ベンジャミン1人だけ。
ベンジャミンの実父ロニーは、立派に育ったベンジャミンよりも初孫ローズよりも、フランス人の嫁マリーに興味を持ってしまったからこれビックリ!
祖父って言っても、今から20年以上前にフランス人の若い女性旅行者とたまたま関係を持っただけなんだから、若いんですよ。逮捕された今現在で45歳だから。

「はじめまちて。じゅまぺる・ろーず。おじいちゃん、こまんたれぶ?」

って言われたって、ピンと来るわけがない。「はぁ?」って感じでしょ。
第一、息子のベンジャミンも育ててないのに、飛び越えて孫なんて。
それよりも、息子の嫁の若いフランス人女性を見て「ええオンナやなぁ〜」ってそっちに目がいっても仕方ない。なんたって20数年前にも同じことやってんだから。
しかし、オッサンが勝手に惚れるだけならまだしも、40過ぎた舅なんて拒否するはずだったマリーが、コレに惚れちゃったっていうんだから大変だ。
相思相愛相合傘。一体何をしてんだか、こいつらは・・・。

ベンジャミンは怒って単身フランスに帰って離婚手続き。
マリーは舅のロニーとイスラエルで新しい三世代生活を始めました。
が、ローズは新しいパパ(・・・グランパですけど)にちっとも馴染まずに泣き喚くため、「私達の新婚生活に邪魔だからフランスに帰しちゃおっか」とフランスに住むベンジャミンに無理矢理押し付けた。
 
だからといって、ベンジャミンはまだ20代前半。単身で幼児を育てるにはどうしても無理がありすぎです。
ってかさ、「惚れた女房が実の父親に取られた!」なんていうムチャクチャな状況で、残された娘を喜んで引き受けるムッシュ・コキュ、いるわけがないって。
離婚手続きが終了した後、フランスに一時帰国したマリーが、しぶしぶローズを引き取りました。

さて、晴れて正式に再婚したロニーとマリー。
二人の間に、女の子が相次いで生まれました。
 
こうなると余計にローズが邪魔になる。でも引き取ってくれる所もない。
どうしようかと悩んだ末、・・・だかなんだか知りませんが、ローズを無き者にしてしまうという最悪の手段を選びました。ローズの死体をバゲージに詰めて、川に沈めてしまったのです。
容疑者2人は、「過失で死んでしまった。殺したくて殺したわけではない」と言っているけど、本当かどうかは。なんたってローズちゃん、虐待で入院したことがあるほどですから。(その後の報道で、「殴ったらグッタリした」と。あーあーもう)。

ロニーの母であるビビアンは、可愛い曾孫ちゃんがいなくなったことについてロニーと嫁のマリーに問いただすものの、2人は、「児童相談所で一時預かりをしてもらっている」と答えるだけ。
それはそれで仕方なかろうとは思ったけれど、面会に行きたいと言っても話をはぐらかされる。おかしいと思って、政府機関や関係機関に問い合わせたところ、

「そんな子供、どの施設にもいませんよ」

そこで警察に通報されたのが、つい2週間前、と。
警察も当初は「何じゃそりゃ」ってことだったのですが、一昨日一般公開し、(ま、その間に2人を重要参考人として拘束していたようですが)、ようやくロニーとマリーが御用となりました。
ついでに、曽祖母のビビアンにも不審なところがあるため、容疑者として警察に拘留されています。

警察は、ローズの遺体を捜索中です。強烈に濁ったすごい川なんですけど。
あの川に入って捜索しなくちゃいけない潜水隊、ローズの次に可哀想・・・。

こういう事件、イスラエルではすごく稀なんですよね。
それだけにかなりショッキングな話題として取り上げられています。
「嫁と舅が愛し合っちゃったさぁ大変」っていうところまでだったら、フランスのラブコメ映画でも作れそうだったんだけど。


ひらめき後日談:
9月11日昼ごろ、ヤルコン川でロニーが証言したようなバゲージが発見され、内部には腐乱した人体らしきものが入っていたそうで、DNA鑑定を急いでいます。
一時は、「ヤルコン川を干してローズを見つけよう!」という意見まで出ましたが、その一方では、「ユダヤ人でもない子供のためになぜそんなに」という否定的な意見もありました。
ローズの母親であるマリーはユダヤ教徒ではないため、ユダヤ教の教義からするとローズはユダヤ人ではありません。実父にあたるベンジャミンも同様です。
ただしこれは差別ではなく、ユダヤ教においては遺体が非常に大切ですが、キリスト教ではそうではないのだから、という意味合いからです。

ロニーとマリーは、「ローズをユダヤ教の神学校に預けてしまおう」と計画したものの、ローズがユダヤ人ではないからと受入拒否されたという経緯があったため(ユダヤ教神学校の関係者が証言)、「もしかしたらイスラエル国内のキリスト教修道院に匿われているのではないか?」というローズ生存説も飛んでいました。
つまり、この事件を法的決裁するためには、ローズの遺体を発見しなければ話が進まないということから、とにかく躍起になって探していたというわけです。

よくも簡単に子供をあっちこっちに預けようなんて考え付くものですね。しかも問題児ではなく、まだ何も分からない幼児なのに。
フランスにいるローズの祖母(ベンジャミンの母であるエリザベス)は、泣きながら「ローズを返して!」と訴えていました。
イスラエルで発表されたローズの写真は、何かに怯えているような目をしていたのに対し、フランス在住の祖母エリザベスが提示したローズの写真は、その全てが愛らしく笑っていたのが、なんとも痛ましかったです。


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