2006年10月06日

ディスレクチア

出勤。
昨日の会計士とのミーティングで、現在の問題などを話し、私が帰った後に彼女が先輩部員にそれらを指摘したらしく、ちと険悪。
ま、そんなに飼い猫を続けられるものではありませぬ。
ガイジンである以上、何かあったら私が悪いってことになってしまうのを回避したかったし、それ以前の個人的感情として、経理屋の看板にキズをつけたくないんです。

えーと。それはともかく。


昨日、サラレの処での話題に関して。

タイトルどおり、ディスレクチア。
英語では、ディスレクシア(Dyslexia)。簡単に言えば、特定の字などが読めず、単語の意味を取り違えたりする障害で、失読症、難読症、識字障害、読字障害・・・などを言うそうです。

日本にいた時は、その名前すら知りませんでしたが、イスラエルに来てからやたらと耳にするようになりました。
「あの人は、ディスレクチアだから、よく書き間違える」「私は軽いディスレクチアなの・・・」「ちょっとディスレクチアで、逆さから本を読めない」
ディスクレチアなんていう言葉を聴いたこともなかった私は、その意味が分からなかったため、辞書を引いて、へぇ・・・と思った次第です。

中には、全く文字を読めない人もいるんです。ところが本人はちゃんとしていて兵役にも行くし、車の免許も取れる、と(筆記試験は・・・、口述試験でしょうか)。

22文字しかないのに文字を覚えることが出来ないってこと自体、理解できないんだけれど、やはり、ヘブ語は文字が少なすぎるところに問題があるのでしょうか。

例えば子供の時、「そごう」を「こぞう」だと思ったとか、「ワンマンバス」を「ワンワンバス」と思って楽しそうだなぁとか、「かまぼこ」→「かがもこ」、「テレビ」→「テベリ」、「たまねぎ」→「たがねぎ」、「ふじわらのかまたり」→「ふじわらのかたまり」・・・
と、こういったかわいらしい思い違いみたいなものって、誰でもあったと思うんですよね。(え、ウソ、私だけ?)
これらは単なる訓練不足による読み違い・言い間違い・聞き間違いで、ディスレクチアとは言わない。

ところがイスラエルに於いては、オトナが書いているはずの小切手を扱っていても、「ヘブ語で書いている文字の間違い」が頻繁にあるんですよ。そうなると、受け取るわけにいかないから、振出人に返さなくてはいけないんですよね。
あと、文字を書くことを極端に嫌う人もいます。聞けば、「ディスクレチアだから」と。


昨日、サラレの処にリフレを受けに行った時、「どうしてイスラエルではこんなにディスレクチアが・・・?」という話になりました。

S:「昔だっていたはずなのよ。ただそれがディスレクチアとは分からなかったから、単なるバカか怠け者としか扱わなかった。でも研究が進むに連れて、そうではなく文字を理解できないだけ、という認識に変わっていったのよ」
私:「文字が少なすぎるから?」
S:「それもあると思うわね。母音表記も少ないし」

ウィキの説明によれば、
『イタリア語など(文字がほぼ発音通りに綴られる)では英語やフランス語(綴りと発音の間に複雑な関係がある)より顕在化しにくい可能性が指摘されている』
・・・だそうですが、おそらくイ国においても、この問題がものすごくあると思うんですよね。


何回も書いてきましたが、基本的に、ヘブ文字は22文字しかありません。
母音は基本的に日本と同じですが、母音として存在する文字は1つ。子音でもあり子音の役目もする文字が2つあります。
面倒くさい? 義務教育で2000字を習得する日本人が何を言いますか。

日本において、漢字を読み間違えることは少ないと思うんですよね。
「会社」と「社会」、「税関」と「関税」のように、文字を入れ替えても似たような発音で似たような意味合いの単語だったら読み間違える可能性もありますが、「本日」と「日本」、「科学」と「学科」など、発音も意味も違うから、読み間違えることも少ないはず。

じゃ、ヘブ語。

text111.bmp

 @友達 (ハベル)
 A選べ (バハル)
 B広い (ラハブ)
 C逃げろ(ブラフ)
 D刀  (ヘレブ)

3文字を入れ替えるだけでこれだけの単語が出来ます。
母音を表記せず、訓練で「ル」か「ラ」か「レ」かを覚えます。
文字の形も似ているし、これが頭の中で混乱を引き起こすのでしょうか。

難しい? 「日」と書いて、「ニチ・ニ・ニッ・ヒ・ビ・ピ・ジツ・・・」と、接続する文字に応じた読み方を覚えねばならない日本語を操る人間が、このくらいで何を言いますか。

それにしても、
あんまり周りが「ディスレクチアディスレクチア」と言うものだから、自分もそうなっちゃうんじゃないかとヒヤヒヤもんです。
経理部員でコレになったら、完全にアウトですから。


は? ディスクレチアが多い理由?
さぁ・・・。現代社会では、なんでもかんでも、病名を付けたいんじゃないでしょうか。悪いけど、「文字が覚えられないけれど、でもこの人は普通なんだから・・・」って、なんか、ね。
posted by Heshbonit at 15:00| イ国の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月16日

外国語について

時々来てくださるななっちさんが、ヘブ語の勉強を開始されたそうで。


ちょうど昨日、同室で働く先輩部員と外国語についての話になりました。

先輩部員のご主人は英語圏出身で、彼女はとても流暢な英語を話します。経理部の大半が英語が出来ますが、一切ヘブ語で通しています。経理部に入ってすぐの時、私に英語で話しかけたり説明したりする人もいましたが、それに対する返事は下手でも意地でもヘブ語で、「とにかくヘブ語にしてほしい」と言いました。
なぜか? 単語の言い回しが違うことからのミスを防ぐため。ヘブ語を私が取り違えたならば、私だけの責任だけれど、彼らが英語で言い間違えて、それを私が取り違えたらメチャメチャですからね。特に、イスラエルの場合、どこの英語とも分からないような英語を話しますから。

さて、彼女の息子さんも、とても流暢な英語を話します。
ところが彼女がこんなことを言いました。

「息子が海外旅行に行った時に、何度かメールを送ってきたんだけれど、その英文の酷さに驚いたの」
「酷いってどういうこと?」
「単語もメチャメチャだし、意味がさっぱり分からないの。それに途中で送ってきた絵葉書なんて、大文字と小文字が混ざって読めたものではなかった。これが自分の息子かと思ったら情けなかったわ。話すのは子供の時から全く問題がないのに」

彼女はこう続けました。

私が子供の時の英語教育は、読み書きをきちんとやって、文章を書かせる時間も多かった。でも最近は、読み書きよりも会話を重視するようで、一体どれだけ読み書きを正しく教えているかは分からない。
現に私の息子のように、父親が英語圏出身で子供の時から英語ができるからと、書くことを疎かにしている者がいて、親の私が、それをこの年になるまで気が付かなかった。

で、私の見解。

日本の英語教育は、読み書きを重視しすぎ、ヒアリングや会話が非常に疎かだった。今は小学校から英会話を取り入れているらしいけれど。やはり書けるだけでは意味がなく、ヒアリングと会話が出来てこそコミュニケーションが出来るのではないか。

彼女曰く、

だから、あなたはヘブライ語も日本式なのね(笑)。
でも、会話もヒアリングも慣れよ。私だって主人と出会った頃、彼は私の英語はイスラエル訛りが強すぎると言っていたし、私も主人の巻き舌のような英語が聞き取りにくかったもの。それでも話していくうちにどちらも問題なくなっていく。それより、20歳を過ぎてロクな英語を書けないほうがよほど恥ずかしいじゃないの


確かに、私もついつい読み書き重視。でもある意味、そのおかげで経理部にいられるような気もします。とりあえず書いてあるものは読めますし、必要最低限は(・・・文法が正しいかどうかはさておいて)人に頼らずにも書けますし。

ロシア系移民でも、ヘブ語を話すのはペラペラと上手いんだけれど、書くとなると「これは何語ですか?」という酷い文字を書いたり、それこそ書くのを拒否したりしますからね。読み書き堪能なロシア系はあまり会ったことがありません。

ま、彼らの場合、ロシア系ってことで優遇されているというか、ヘブ語を使わなくてもいいような環境にいますから。
大手企業や保険組合のコールセンターに電話すると、「シャローム。ヘブ語は@、アラ語はA、ロシア語はBを押してください・・・」というのが主流(英語という選択肢は殆どないですね)。
ロシア語新聞や雑誌も出回っているし、ロシア語チャンネルもあるし・・・。はっきり言って、ヘブ語が出来なくても全然問題なく生活できる有様。
いわば、コメ国の西語みたいなものです。


現在、私の第一外国語がヘブ語。
英語は壊滅状態。読み書きはなんとか。聞きは3割以下。会話は絶望的。
他に挑戦したことがあるのは、西語。でも、すぐにリタイヤ。
あと、某国に住んでいた時のホニャララ語。見事な文盲でした。


読み書き習得法。
とにかく読む。とにかく書く。何でもいいから読み、何でもいいから書く。
私は、新聞記事を書写していました(今でもヒマな時にやっています)。
意味なんて分からなくてもとにかく書写することで、スピードも身につくし、文字のバランスもそれなりにまとまってきます。日本語だってそうですよね。何度も書いたりしているうちに、文字がまとまってくるでしょ。それと同じです。
おかげで、文字だけはどこに行っても褒められます。自分ではあまり気に入っていませんが。
「活字体のヘブ文字がカタカナっぽい」という話を少し前に書きましたが、筆記体のヘブ文字はひらがなっぽくて、慣れるととても書きやすいです。


それにしても私のヘブ語会話。
どうして上達しないんでしょう。
未だに、「ウルパンに行った?」とか言われます。
ギメルまでやったっつーの・・・。
posted by Heshbonit at 19:00| イ国の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月06日

ケイサル

いやー、面白かったですねー。
この私、4時から起きて、ネットニュースをクリックしまくっていました。

生まれましたよ。40年ぶりに皇室に男子誕生ですよ。
よかったよかったー。

というわけで、今日のヘブ語。

    ケイサル=皇帝・天皇

今日のイスラエルのニュースでも、
ケイサル一家に、ニトゥアフ・ケイサリ(帝王切開)で男子が誕生」
と取り上げておりました。なにやら、天皇家が本当に帝王切開、というのが面白いのか、そればっかり強調していましたが。

会う人毎に、「おめでとう」と言われたし。私、天皇家じゃないんですが。
あ、でも顔はそれっぽいかも。目が大きくないとか、鼻が高くないとか、顔の輪郭がぼんやりしているところとか。顔をすっかり漂白してシワと毛穴全開さえ隠せば、現黒田夫人の影武者が出来ます。それと一言もしゃべらなかったら(重要)。

オンナの天皇でもいいじゃないか、なんて話もつらつら出ておりましたが、皇室典範をどうこうしようなんていう話はこれでどこかに行くでしょうね。


私は日本にいた時は、「どっちだっていいじゃん」と思っていました。皇室の存在そのもの、全く興味がなかったし。

が、こうしてイスラエルで生活していると、「やっぱ伝統は守るべきじゃないか」と考えが変わりまして・・・。

ユダヤ教においては、「母方がユダヤ人であるものをユダヤ人と認める」という掟があります。父親がユダヤ人でも、母が異教徒であれば、ユダヤ人とはいえません。
母親が異教徒ならば、改宗さえすれば生まれた子供はユダヤ人として認められますが、宗教者の中には改宗ユダヤ人を善しとしない人達も多くいます。

とはいえ、現代のイスラエルにおいて、子供がユダヤ人として認められないからといって改宗する必要はない、と考える人もいます。
私の欧州国籍の友人も、「もし子供が必要ならば自分で改宗すればいい。生まれ持った宗教に固執しているわけではないけれど、私がユダヤ教徒になるつもりもない」という考えだし。
でもこういう人達はごく少数派。そして、若い時はよくても、ある程度の年齢になると、拘りだしたりするようです。


話を戻しますが。

イスラエルに来て、ずーっとずーっとずーっと伝統を守り続けながら、その伝統を守るがために2000年以上も先祖が迫害を受け、それでも伝統を継承し続けて生きている人達を見ていたら、じゃ、日本には何か伝統があっただろうか、と考えるようになりました。
すると、あったんですよ。

それが、天皇家。
これは古い。神話からいけば、2600年以上続いている。
本当に継続しているかどうか?という時代もあるらしいけれど、とりあえず伝統ではそういうことになっているわけですよね。
世界に誇れますよ、ホントに。

途中でいろいろはあったけれどさ、それでも「男系男子の天皇が皇位を継承する」というのを、ずーっとずーっとずーっと続けていたんですよ。
それを、「男が生まれないから、女でもいいよね」「そうそう、外国だってそうだし。そうしましょうよ」「今はそういう時代なんだよ」なんてことで、変えてしまっていいことですか?

どうなるかなぁ、なんて思っていたら、紀子妃懐妊。嬉しくなっちゃいましたよ。「いいぞいいぞっ!」ってな。
そして今日の男子誕生ですからね。

伝統を守れるかどうか、というのもさることながら、紀子妃懐妊が発表されたあたりで、壬申の乱とか平安時代藤原家とか南北朝時代とか、なんだか歴史に名だたることが起きるような気がしちゃって。わくわくしていました。
なんか、「大奥」でも見ている気分。あ、あれは将軍家だけれど。

40歳目前で12年ぶりの出産。諸事情がある雅子妃のプレッシャーも辛いだろうけれど、紀子妃に対する期待のプレッシャーも、ものすごかったと思う。
それを帝王切開で産んだのですからね、強烈な精神力と意地ってやつ。


そりゃ、「オンナは子供を産む道具じゃない」っていうのは、一般論では考えればごもっともなんだけれど、でも、特別な家庭においては、「オンナは子供を産む道具」ってのが現実。
なにも天皇家だけじゃなく、日本の伝統芸能各種でもそうだし、それこそ、ちょっとした金持ちや地主でもそうだろうし。道具扱いされたくなかったら、そういうのを全く拘らない人と結婚すればいいわけ。

これでも私、もとから保守的なところがあります。
例えば、相撲好きな私からしたら、「オンナは土俵に上がるべからず」というのを覆せとは思わない。それを差別だのなんだのとワーワー言う人、大嫌い。
「女人禁制の山」「女人禁制の社」など、わざわざオンナが入り込む必要はないと思う。入れる山や社に行けばいいだけのこと。
理不尽な男女差別は納得いかない。けれど、伝統を守り続けているものを、時代の流れにあわせて変えるべきではないと思うのです。


あー、面白かった。
でもこれで女の子が生まれていたら、もっと面白かっただろうけれど。
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2006年07月30日

トマトとリヴォルノとユダヤ人

明けても暮れてもボンボンバンバン。
本日の着弾ロケット数は過去最高の140(19時現在)。

それでも毎日出勤です。それが経理部員でございまする。

・・・というわけで、データベース作りにも飽き、ふと、「そういえば、税務署が来た時に引っ張り出した書類、片付けてなかった」と思いついて、地下資料庫に。ようやく書類が片付きました。

なんだか毎日こんなですから、大して書くこともなく・・・。だったら書かなければいいんですが、毎日更新しないと気分が悪い。
でも、これじゃ、来ていただいた方に申し訳ないから、面白いお話でも。


私、子供の時からトマトが大好きで大好きで、生トマトそのままも好きだし、トマト料理も好きだし、ケチャップも好き。
日本では1日1本必ずトマトジュースを飲んでいました。イスラエルは新鮮なトマトが1年中お手頃価格で買えるから非常にありがたい。そこで、スナック菓子などは通常は一切食べないため、ちょっと小腹が空いたと思ったら、トマトをかじっています。


トマトは、コロンブスが新大陸から持ち帰り、それがイタリアに伝わったといいますが、それでは一体、誰がイタリアにトマトを持って行ったのでしょうか?

ここに、ユダヤ人が登場いたします。

舞台はイタリア、トスカーナ地方。
中世トスカーナといえばメディチ家。
メディチ家が『新しい港町を作ろう』と選んだのが、リヴォルノ。

メディチ家は優れた政治力・外交能力を持ち、かつ非常にリベラルであったため、この新しい港町リヴォルノには、難民も受け入れました。
そこで集まってきたのが、スペインを追われたユダヤ人です。
地中海貿易最盛期には貿易や通商の多国籍都市として栄え、トスカーナをローマと並ぶ大都市に発展させる要因となりました。
リヴォルノが、「トスカーナにありながらトスカーナらしくない」と言われる由縁がここにあります。

メディチ家が受け入れたユダヤ人は各国語に精通しているため商業に長け、また、ユダヤ人同士のネットワークを駆使した金融界のみならず、海運業や保険業などでその能力を発揮いたしました。また、繊維関係の輸出でも有名となりました。


ということで、スペインを追われたユダヤ人が、トマトを持って、ここリヴォルノに上陸したといわれます。コロンブス御一行が持ち帰った当時のスペインでは、トマトは『毒』と思われていたのですが、イタリアに入り、『パスタとの幸せな結婚』を遂げるのです。めでたしめでたし。


では、『毒』と言われたトマトが食用になった過程は? 
んーと、これは想像するに、ユダヤ人は怖いもの知らずで、

「な、毒だっつーけどもよ、赤ぐてつやつやしてうまそうでねぇが。なぁ、おめ、食ってみ」「何を寝とぼけたことを言うだ。そげなもの食えね」「食ったら、ほれ、金やっから」「やんだ、おら死にたぐね。そげなこと言うなら、おめぇが先食え」「おらは・・・。ま、えぇではねえが。な、ちこっと食ってみろって。ちこっと」

・・・なんて肝試し気分で食べてみたんじゃないでしょうか。何かの罰ゲームだったのかもしれません。歴史なんて、失敗と偶然の繰り返しです。
もちろん、メディチ家がリヴォルノを港町としなくても、スペインのユダヤ人をリヴォルノに受け入れなくても、どこかでどうかしてトマトは食用となり、イタリアに伝わったでしょう。


イタリア料理で『リヴォルノ風』といえば、トマトを使った料理のことを言います。
ついでに、このリヴォルノでは、北アフリカの『クスクス料理』も名物です。こちらもスペイン経由で持ち込まれました。時代が少し後になりますが、ユダヤ人がスペインを追われたように、レコンキスタ終了で強制改宗を迫られたイスラム教徒がリヴォルノに移住した時にもたらされたそうです。
ずっと後の時代になりますが、画家のモディリアーニも、このリヴォルノ出身のユダヤ人ですね。なお、モディリアーニという名字はユダヤ名ではなく、元々彼の祖先が住んでいたイタリアの地名です。


トマトはイタリア語で、「ポム・ドーロ=黄金のりんご」
フランス語では「ポム・ダムール=愛のりんご」
ドイツ語では「リーベス・アプフェル=愛のりんご」

そしてヘブライ語では、「アグヴァニヤ

語幹は、「AGV(性的欲望。英語で、Lust)」だというのが有力説。
『毒=媚薬』と解され、愛を通り越して、本能に突っ走ったようです。
これじゃまるで、「禁断の果実」みたい。
昔の人はトマトを食べたら、どうにかなってしまったのでしょうか・・・。



じゃ、もう1つ。

ヘブライ語で「アゲヴェット」といったら、「梅毒」。

トマトの「アグヴァニヤ」と同じ語幹(AGV)です。


こちらもまた、コロンブス御一行が新大陸から持ち込んだといいます。


ひらめき関連記事:ザクロとグラナダとユダヤ人
勝手な解釈により、トマト≒ザクロだったのでは?という仮決に達しました。


なんかトマトを食べたくなってきた。
というわけで夕飯は、トマトソースのパスタ♪
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2006年07月02日

みんなのうた−ミズラヒ編

出勤。

月初と消費税減税が一緒になると、それはそれはすごいことになります。
机の上は混乱の極み。
私は机の上がグチャグチャなのは、仕事が出来ない人だと断定していますから(経理部の人ってこういう考えが多い)、自分の机の上がそうなるととてもイライラしました。

えー。
さっきから、オフラ・ハザの歌が頭を離れません。
Nさんの処で紹介されていたユーロビートバージョンじゃなく、コテコテ・イエメンバージョンの方です。
真面目な話を書きかけていたんですが、オフラの歌が頭の中をぐるぐるぐる回るので、思いのたけを吐き出し、今日のネタにします。

ミズラヒというのは、「東」。
イスラエルでミズラヒとは、中東系のユダヤ人やユダヤ文化を指します。
今日のお題は、ミズラヒ音楽。
お時間がある方は、聞いてみてください。
クリックすると、別サイトに飛んで『画像&音声』が始まりますので、職場で見ている方はくれぐれもご注意。


次項有おされユーロビート vs 次項有コテコテイエメン

同じはずですが、別の歌にしか聞こえません。
ってか歌っている人も同じオフラ・ハザですが、別人みたいです。
ユーロビートではリズムでごまかされていますが、後者はすごい。
この歌はイエメン系ヘブ語。
イエメン系ヘブ語とは、復活した現代ヘブ語じゃなく、イエメンに住むユダヤ人がずーっと守り続けてきたヘブ語で、アシュケナジー(東欧系)が発祥の現代ヘブ語とは、かなり違います。(もちろん、現代ヘブ語を作るうえで、古代から続いてきたイエメン系ヘブ語もかなり関与しています)。

私には何箇所か聞き取れない部分があり、それがイエメンヘブ語らしい。
私がイスラエルに来た時には、既に彼女は病気で表舞台にほとんど出てきていなかったので、彼女が話す時の発音がどうだか分かりませんが、しかしこの歌の“訛りっぷり”はすごいです。
私と仕事で接点がある女性がイスラエル生まれ育ちですがイエメン系で、外国人の私ですらすぐにそれが分かるクセのある発音をします。
イエメン系に限らず、中東出身家系のヘブ語は特徴があります。
例えば、アの音。現代ヘブ語では「ア」は一音ですが、中東出身家系の人は2通りの「ア」の音を使い分けます。あまり強いと嘲笑されます。
いつはくさん、ヘブ語の説明不足のフォローよろしく。


さて、他にもちょっと聞いてみましょう。
こちらは、リタ。イラン系です。

次項有クリック

なんかイライラしません? なんだというのでしょう。
あ、すみません。紹介したくせに初めの20秒しか聞いてません。どうも私はリタが好きじゃないんです。
ちなみに、イラン系だから特徴のある歌を歌うわけじゃないです。
もひとつちなみに、彼女はイラン生まれなんですが、イラン生まれであるがために、コメ国に入国できないらしい。別にヤバイコトしたとかじゃなく、かなりのポジションの人でもそういうコトがあるらしい。


じゃ、正統派。
イスラエルのミズラヒ歌謡の貴公子、エヤール・ゴランです。

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・・・紹介するこっちが恥ずかしくなってきました。
ミズラヒって、イスラエルの演歌みたいなものって感じません? やたらとこぶしがコロコロ回っているし、なんか歌詞もね・・・。
彼は特にオバサマ方からとっても人気があり、若い男性でも彼に憧れる人が多いようです。

ちなみにこの歌の歌詞は、
♪ああ、君は世界で一番美しい。僕の美の女王だ!
君は僕のために生まれたんだー!
ってなこれまた、しらふで歌うのも聞くのも非常にこっぱずかしい内容なんですが、最近の結婚式では、この歌がかかると老若男女皆で踊り狂います。
踊るっていっても、タテ揺れじゃありません。水平ヨコ揺れです。手は頭上に。ナプキンを持ってクルクル回すのもアリです。
それは、「アタシは今、どこにいるんだろう・・・」とあなたの知らない世界に引っ張り込まれるような、この世のものとは思えぬ強烈な光景。


もっともっともーっと強烈なミズラヒを聞きたい方はこちらをどうぞ。

次項有クリック

タイトルは、「甘い夢」
・・・うなされそうです。


最後のおまけ。イスラエルの女性アイドルご紹介。

次項有クリック

ニネット・タイエブ(初めに歌っているピンクの服の人)。
すみません。最後まで聞いてません。あんまり好きじゃないんで。

これでアイドルか??と驚愕するほど、体格がよろしゅうございます。
彼女は、数年前にスター誕生番組で優勝して、国民的アイドルになりました。彼女もモロッカイですが、アイドルですから、モロッコとは関係なく一通りのアイドル活動をしています。22歳位のはず。
彼女はなぜか、イスラエルのイケメン俳優と噂になる。
イスラエリ男性の好みって、こういう立派な体らしい。
沢山産んでください。



:ミズラヒ系ユDヤ音楽とアRブ系音楽はどう違うんですか?
:言葉が違います。以上っ。


皆さん、最後までお疲れ様でした。
最後に、日本の懐かしい歌で癒されてください。


次項有クリック
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2006年06月25日

シリアの花嫁(完全ネタバレ)

出勤。

今月はどうしたんでしょ、そんなに忙しくないんですよ。
ただダラダラと人が来て、小さなことをコマゴマと頼んできて、「あー、これは時間がかかるかも」なんて思っていると、案外あっさりと解決したり。
慣れてきた? のかもしれません。
やっぱ給料計算の仕事を引き受けろということでしょうか。
その前にコースに通わなくてはならないんですが、ちっとも始まりません。今日も催促電話をかけてみたけど(どうせ今週会計士が来て「学校はどうした?」といわれるに決まっているから)、「まだ集まらなくてねー。誰か友達でもいないの?」と、勧誘せよといわんばかりのことを言われました。

指はほぼ回復しました。
まだ引き攣る感覚はあるにしても、指のヤケドの回復というのはワリと早いものですね。お騒がせしました。


さて。
昨夜、「シリアの花嫁(Syrian Bride)」という映画をTVでやっていました。
昨年ヒットした映画で、イスラエル・ドイツ・フランス合作。
内容としてはとってもよかった。
イスラエルのフィルムで初めて「最後まで見られた映画」です。ま、ドイツとフランスが入っているからかもしれませんが。
それに加えて、この映画の舞台が私が住んでいる地元のようなもので、親近感があったとも言えます。

ストーリーは(ネタバレです)、

ゴラン高原・マジュダルシャムス村に住むドルーズ族の女性モナが、シリアのドルーズ族の男と結婚することに。親同士が決めた縁談で、モナは全く面識がない。
モナは4人兄妹の末っ子。やりたいことがやれなかった姉、イタリアで怪しいビジネスをする兄、シリア経由で旧ソ連に留学してロシア人女医と結婚した弁護士の兄。兄2人は、モナの結婚のためにイスラエルに一時帰国しました。
そして両親だが、穏やかで優しい母とは対照的に、モナの父は政治的理由でイスラエルの警察に常にマークされている。そして父は、ドルーズ族ではない女性と結婚した次男を嫌い、かわいい孫を連れて帰って来たのに終始不機嫌である。
さて、新郎不在で盛大な結婚パーティーを行った後、ウェディングドレスを着たモナとその家族は、一般人通行不可の特別な国境ゲートに向かう。
国連と赤十字職員仲介の下、モナだけがイスラエルを出国してシリアに入国しなければならないが、シリア側の役人が何かと難癖をつけたり、イスラエル側のお役所仕事のために、モナの手続きが進まない。
最後にモナは、ゲートが開いた瞬間にすり抜けてイスラエル側を出て、シリア側に向かう・・・。


・・・どれも実際によく聞く話。
シリア経由で旧ソ連留学に行った人は結構いるし、国境を越えてシリアやレバノンにお嫁に行く(又は、お嫁を貰う)というのも、何も特別なことではありません。

「何ゆえにわざわざ国境を越えて結婚を?」って思います?
昔は日本でもよくあったでしょ。「隣り村から嫁ッコさ貰うべ」って。
血が濃くなりすぎることによる各種弊害を防ぐために、別の地域の者同士で結婚するのです。政治的理由ではありません。
ゴラン高原のドルーズ族は、シリア領・レバノン領・イスラエル領に住んでいますが、彼らはドルーズ族の人間としか結婚しないため(例外あり・この映画でも描かれています)、自分達の村の中だけで相手を探すと近親婚になってしまい、生物学的な問題が生じる可能性が高い。
それゆえに、別の地域に住む血が繋がらない人と結婚することで、危険を回避しなければなりません。

さらに、アラブ社会は自由恋愛があまりなく、女性が一生結婚せずに単身で過ごしたり、結婚せずにシングルマザーになるなんてまず認められません。親が決めた結婚相手と結婚することが彼らのルールと言っても過言ではないでしょう。
ある意味、宗教戒律が厳しい国や身分制度が現存する国では、親が決めた相手と結婚することが常識です。むしろ、「誰とでも結婚していい」ということは、転じて「誰も後ろ盾になってくれる人がいない」と恥ずべきことだったりするのです。封建時代の日本と同じと思えば分かりやすいでしょう。

ドルーズ族の結婚の問題は、この映画のテーマにもなっていますが、隣りの村っていうのが国境をまたいでしまっているため、現時点では、家族とは滅多に会えないことになります。
そしてイスラエル領内に住むドルーズ族の場合、イスラエル国籍を所有していないため、第三国に出国するのはそう簡単ではありません。
現行のイスラエルの入管法では、ゴラン高原のドルーズ族でシリアに出国・イスラエルに再入国できるのは、「留学目的の学生」「ドルーズ族の宗教者」となっています。その他はよほどの理由でもない限り、許可が下りません。

「シリアに嫁いだ女性の里帰りはなぜ認められないのか?」って、ま、「入鉄砲出女」でしょうか。いろいろな弊害を防ぐにはそうするしかありません。例外を作ると際限がなくなります。
これはイスラエルだからとかドルーズだからというのではなく、どの国でも同様。外国人が別の国の滞在権を申請する際、女性のほうが男性よりもはるかに難しく、審査が厳しいですから。

ただし、この映画にあるような「花婿不在のパーティー」や「花嫁1人でドレスを着て国境を越える」ということはありません。
「新婦の親族関係者一同が、赤十字介入の元で特別限定出国という手段で新郎側に集まり、新郎新婦&双方の親族揃っての結婚式をする」そうです。上で「滅多に会えない」と書いたのは、親戚の誰かの同じような結婚式があれば、国境を渡って親兄弟に接する機会はたまにはあるからです。
尤も、花嫁に荷物があるだろうから、体1つで嫁に行かないよね。
ま、そういうツッコミはともかくとして・・・

この映画タイトル、ヘブ語で、「カラー・スリット」 
(語頭には私の大嫌いな定冠詞・が付きます)。
スリット」とは、一躍有名になったあのヘブ語「スリ(Suri)」の女性形です。

ちなみに、婿は、「ハタン」。
日本と同様、舅姑からみても同じ用語を使いますが、他人が「あなたのところのハタン(婿)は・・・」とは言っても、舅姑が「うちのカラー(嫁)が・・・」というような言い方はまずしません。
イスラエルでは、舅姑婿嫁、誰もが名前を呼び捨てにします。

余談ですが、アラ語で花嫁は、「アローサ」。
「シリアの花嫁」→「エラローサ・アッスレーヤ」
(語頭には定冠詞・エルが付くはず・・・)。
かなりのアラ語がヘブ語と似ているんですが、「カラー」と「アローサ」では全く似てませんね。


なんの話でしたっけ?
あ、映画でしたね。
ドイツとフランスの合作だからもあって、映画は非常に丁寧に作られていて、カメラワークや話のテンポもよかった。イスラエルだけに作らせたらこうはいかなかったと思う。
日本でもDVDが出ているらしいです。ヒマな方は探してみてください。

ゴラン高原ドルーズ族の結婚式に一度呼ばれたことがありますが、村人総出で、まぁすごいですよ。

💡 関連記事:
 ・花嫁の安否
     
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2006年06月19日

ヘブ語がどれだけ下手か?

朝から経理部出勤。
パイプ修理? 勘弁して下さい。
今日は休憩です。また日を改めて・・・。

地方庁の〆が終わったようで、こちらもシステムでの支払完了処理を進めます。
慣れてしまえば私の分担は大したことはないのですが、それでも毎回何かしら不思議なものが発生し、そのたびにヒヤヒヤ&イライラさせてくれる。

今日は、いきなり農協関連の保険支払が自動的に引き落とされてあり、あっちこっちに電話してタライ回されました。
あっちこっち掛けなくちゃいけないというのは、電話ギライな私にはとっても酷な話。ま、そんなこと言ってられないんですが。

どうも、私のヘブ語、ヘタなんですよ。
いや、改めて書くことじゃないんですけどね。
これまでも何度もこの内容で書いてきたから、またその話かよ?って思った人は、今日はスルーして。ちょっと気が立ってるんで。

2日ほど前に転妻さんのトコでコメントに書きましたが、私が話すヘブ語を理解できる人は理解できるんだけど、全く理解できない人もそれなりにいて、
「ちょ、ちょっと待って。あなたが言っている事、もう初めから、一言も、サッパリ分からない!」
と相手をパニックにさせるようだ。
そう言われて萎縮しているわけに行かないから、「え、なんで分かんないの?」と開き直ったりします。

なんで?ったって、下手くそな日本人のヘブ語を電話で理解しろったって、そりゃ分かりませんよね。
面と向かっていれば、手にしている書類があったりとか、なんか表情で分かったりするだろうケド、電話を受けた相手にしたら、「どの国出身だかわかんないけど、いきなり何か言ってきて、全然聞き取れない!」と。

ま、ロシア系だったら「ディ」「ハ」という発音が苦手とか、スペイン系は語尾の「ム」や「スとズの音の違い」が難しいとか、移民はそれぞれクセがあります。

日本人は・・・、
根本的な問題として(これはどの国の言葉にも言えますが)、LとRの使い分けと聞き分けがネックですね。
「私は出来るわ!」って人はスルーして。腹立つから。
それと、BとVね。
というのも、ヘブ語では、「and」の意味で「ヴェ」といい、「in」の意味で「」と言うため、必要頻度が高いんです。しかしこれがねぇ・・・。
だから、「私は出来るわ」って人はスルーしろって言ったじゃん。
喉を使う発音は得意なんです。以前住んでいた国でも使っていたので。
「私は出来ないわ」って人、ウェルカム。

ま、それもともかく、やっぱ声が高いのも問題みたい。
別に私、林家パー子みたいな声じゃないけどさ、でも、往々にして、アジア系人種の声ってのは、キーが高いでしょ?
自分でも、一生懸命低めの声にしているつもりなんだけれど、相手にはかなり聞きにくいらしい。
そして、文法メチャメチャ。時制グチャグチャ。焦ってハチャメチャ。
これで理解しろって方が酷ですね。

文字で書いたら、「ホントにあなたが書いた?」ってな、流れるような達筆な文章なんですが。でも、定冠詞がダメだけど。
絶対、いつはくさん、笑ってるだろうな。


ま、そんなのはともかく話しちゃったもん勝ち。
でもね、建国58年しか経ってない国だから、「正しいヘブ語を話さないという理由で差別される」ってなことは、そんなに感じません。

聞き取り? 全部は聞き取ってません。ピンポイントであとは想像力。
いいんです。
母国語だって全然理解しない人、ってか理解できない人がいるんだから。
ガイジンの私が飛ばし聞きをしたって、そんな変わんないじゃん。

嗚呼、強烈にテキトーな経理部員・・・。がく〜(落胆した顔)

で、なんでこんな話なのかというと、
今日、面と向かって言われたんですよ。
「言葉も出来ないくせに・・・」ってなコト。
ま、言い返そうと思えば言い返せるけど、
あとで面倒なことになるのがイヤだから、
バカっぽく、ヘヘヘと笑ってたんですけどね。

悔しかったら、このポスト、奪ってみろや。

・・・って、結構これでも必死なんだけどさ。



わんこ、会心の作?
やっぱこいつの言うことが一番分かんない・・・。
posted by Heshbonit at 19:00| イ国の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月05日

ユダとトダ

出勤。

金曜日は経理部の建物は会議が多く、怒鳴り声が聞こえます。
私はガイジンですから、きちんとした声じゃないと聞き取れませんが、先輩部員はそうではないので、「下らない内容をいつまでもいつまでも話して、すごいイライラする」と。
確かに、これが日本語だったらきっと私もイライラするだろう。
聞き取れないのが幸い。町に出ると、人は「どうせ理解できないだろう」とベラベラと人のことをいろいろ言う。
ま、いいんですけれど。世の中、聞き取れない方が幸せなことが多い、とイスラエルに来てから気が付いた。
失うものも多いですが・・・。


さて、半日の金曜、昼食後、実家に電話をし、パンでも焼こうかと思っていたら、もう1つの職場のボスが、
「ガス臭いって言うんだけど、シングルマザーの家(女性だけ)だから、付いて来てくれる?」と。

事務所に行ってガスの道具箱一式を持ち、その家に行った。
原因はゴム製のガスホースの亀裂。古すぎる・・・。
事務所に戻って新しいガスホースを取り、彼女の家に戻って交換しました。ボスは自分の携帯が鳴ったため、家の外に出て電話中。家主の彼女はソファに座って新聞を読んでいます。
:「終わったから」
:「何なのよ、もう! 子供がいるのにガス臭くて、危険よ!」
:「原因はあなたの使っているガスホース。古すぎます」
:「・・・あ、っそ」
:「点検交換はサービスだけど、ホースは個人のものだから、月末に請求を回しますので」
:「オッケー」
:「では、シャバット・シャローム」
:「・・・(無言)」 (←新聞を読みながら)
むかっ(怒り) てめぇ、「トダ」くらい、言えよ。
金曜の午後は、もう休みなの。それをわざわざ出て来たんだからね。
だから、シングルマザーなんだよ。(超偏見)。


「トダ」は、ヘブ語で「ありがとう」のこと。
英語のTHのように舌を噛む必要はありません。そのもの、トダ。
どの国の人でも発音できます。なんて簡単な言葉なんでしょう。
「ありがとう」という単語では世界で一番短いのでは? 

以前、ホストマザーのサラレと旧約聖書を勉強していた時(注:宗教的な意味は一切なく、単なる興味として)、ちょうど、「ヤコブの妻2人(レア&ラヘル)とその召使2人が12人の子供を産む」という章に差し掛かりました。私は前々から疑問に思っていたことがあり、彼女に聞きました。
「サラレ、質問。なぜ、ユダヤ教でユダヤ民族なの? 長子はレウベンだし、ヤコブが愛したのはラヘルで、その子供はヨセフとベニヤミン。ところがなぜ、レアが産んだ四男の『ユダ』の名前が民族名の由来になったの?」
すると、彼女がこんな説明をしました。
ヘブ語で「ありがとう」を、トダ(ヘブ文字:TODH)と言います。
短い言葉だけれども、先頭の「(ヘブ文字:タヴ)」は、二人称の「あなた」の意味を含んでいます。
感謝する」という言葉の語幹は、「HDH」。
この語幹の先に(ヘブ文字:ヨッド)をつけると、「YHDH」。
そう、「ユダ(イェフダ)」になるのです。
この(ヘブ文字のヨッド)は、ヘブ語で「」を表します。
つまり、神に感謝が、「ユダ」。貴方に感謝で、「トダ」。
人間に一番大事なのは、感謝することだから。

分かった? 人に何かをしてもらったら、「トダ」って言うの。
それは、あなた達の民族に由来する素晴らしい言葉なのよ。
ガイジンの私が気に入らないのか、生活に疲れてヘトヘトだからか知らないけれど、誰かがあなたのために動いたのだから、どんなに小さなことでも「ありがとう」と言いなさい。
幼稚園で習わなかった? 「ありがとう・ごめんなさい」は基本でしょ。
あ、イスラエリで「ごめんなさい」を言う人は稀だ・・・。


事務所に戻ってからボスに、
 「あのババァ、ありがとうも言わなかったよ」
と言ったら、ボスが笑って言った。
 「彼女、まだ20代。お前よりもずっと若いんだから」

・・・。
   
posted by Heshbonit at 18:00| イ国の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月19日

スリはヘブライ語で・・・

トム・クルーズとケイティ・ホームズの間に
女の子が生まれたそうだ。

[ロサンゼルス 18日 ロイター] 
 待望の娘の名前は、ヘブライ語で「プリンセス」を意味するスリ(Suri)


えー、ここで補足しますが・・・。

現代ヘブライ語では、「シリア人男性」の意味ですが・・・。たらーっ(汗)

だからスカイニュースで聞いた時、ビックリしたんですよね。
よりによって、何ゆえにそんな名前を・・・って。
イスラエルのニュースで、「古代ヘブライ語が由来で」と聞いて、
私も初めて知った次第です。(↓追記参照)

「スリ」って聞いて「王女」と理解する人、いるんでしょうか。
イスラエル人では、分からないのではないかと。
ってか、間違いなく笑うんじゃないかと・・・。

ちなみに、
現代ヘブライ語で、王女は「ネスィハー(Nesichah)」と言います。
語根から見ても、「スリ(Suri)」とは全く関係ありません。
本でも読んで調べたのか何なのか。

「スーリ」と伸ばして表記する記事も見られるけれど、
それだと余計に、「シリア人男性」の発音と同じになるんですが・・・。
また、「シリアの(男性名詞に付く)」という形容詞でもある。

なんにせよ、
イスラエル人が事前にそれを聞いたら、止めてたとは思うけれど。
多分、日本人が事前にそれを聞いても、止めてたでしょう。
人ノ鞄ヤポケットカラ、スバヤク財布ナドヲ抜キ取ル泥棒・・・


ねぇ、普通の名前、付けときなよ。
ただでさえ目立つんだから。


関連未来記事
 ユダヤ系の名前をずらずらと書き並べてみました。

追記:2006年4月27日
posted by Heshbonit at 20:00| イ国の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月05日

カムツァニ

〔本日の天気 雨

出勤。
地方庁経由支払いの請求書もボチボチ届き、それなりに追われつつあります。初めの頃は戸惑ったものの、慣れてしまえば仕訳入力して支払うだけのことですから、よほど突飛なことが起きなければ、毎月同じようなものです。

さて、今日のタイトル。
カムツァニ。
ヘブ語で、「けち」とか「しみったれ」とか「守銭奴」のこと。
カムツァニって表現する時は、相手をバカにしたような意味が含まれます。

ヘブライ語には、語根というものがあります。
単語の基本となる文字のことで、派生語には必ずそれが含まれます。
たとえば、「働く」に関連する言葉の語根は、「ABD」。
被雇用者=オベド
雇用者=マアビド
仕事=アヴォダー
加工=イブード
奴隷=エヴェド
労働党=ハ・アヴォダー(ハは定冠詞)
Aは、時に応じてイ・エ・オと変化しますが、ヘブ文字では同じ文字です。
ね、以外と単純でしょ。だから、分からない言葉があっても語根を考えて想像できる。だから「読み」は意外と早く習得できるんです。
ちなみに同じセム語系のアラビア語も同じように語根があります。

で、カムツァニの語根は「KMZ」。Zは一文字で「ツ」の音です。
この種類の言葉で、「倹約する=メカメツ」「ほんの少し・僅か=コメツ」なんていうのがありまして・・・。

何の話でした?
あー、カムツァニですね。
以前もカムツァニという言葉には、ちょっと触れたことがありました。
世界中で「ケチ」の代名詞になっているユダヤ人でも、イスラエルにおいては出身地別に、「奴は◎◎系でカムツァニだから」「アイツは△△出身でカムツァニだ」とか内ゲバすることがよくあります。

でも、私にしたら、皆さん思いっきり同じカムツァニ・・・。

さて、長くなりましたが、本題に入ります。
経理部で5代目の電気ポットを買いました。
もう、いい加減にしようや。なんで電気ポットばっかり買ってんの?
ってか、それは安物を買ってくるからってことに気が付かない?
そりゃね、経理部っていうのは生産もしないし営業もしないから、限られた予算でやっていかなければならないため、高いものを買ったら、「なんで経理がこんなにいいものを・・・」って言われちゃいますよ。
でも、なんでこの新しい建物になってからの2年弱の間で、5つも電気ポットを買うわけ?
初代は、なんだか分らないけれど壊れた(私が来る前)。
二代は、サーモスタットが壊れて沸騰しまくって溶けた。
三代は、使用中に急に停電になって、それ以降動かなくなった。
四代は、なんだかわからないけれどスイッチが入らない。
で、今日の5代目です。
ちゃんとしたメーカーのを買っておけば壊れないのに・・・。

イスラエリっていうのは、安く買ったことを自慢したがる人が多い。
「これは安かった。俺はいくらで買ったんだ」と。で、それよりも高値で買った人を、「アイツはバカだ。もっと安く買えるのに」とバカにします。
でもね、同じものを値切って買うならば、そりゃ安く買えたら素晴らしいですが、全く別のメーカーだったら、値段の差には訳があるんです。

イスラエルにおける安物は、本当に安物なんですよね。
たとえばホチキスの針にしても(最近やたらホチキス絡み。指を刺した恨みか?)、日本のメーカーのならばC国製の倍以上の値段で売っています。でもC国製は、ひとつを留めようとしても2つは使います。普通の厚みを留めようとしても、@針が詰まるA折れるBグニャリと曲がる、のどれか1つが必ず発生しますから。
紙にしても、安いメモは書こうと思ったらペンで破れたりするし、安物の糊やセロテープはくっつかないし・・・。
服なんかもう話になりません。そこらの安物なんて1回洗ったらもう終わりです。

昨日の話の続きですが、私の冷蔵庫はシャープ製。他のメーカーの通常の倍近くしました。貧乏人の私は買う時めちゃめちゃ考えましたが、霜がつかないし、自動脱臭装置もついているし、いつもキレイに保てて買って良かったと思っています。
洗濯機にしても、前に使っていたのは、「おまいはパンク少年か?」ってな派手な縦ノリなアクションの後に泡まで吹いて失神、というとんでもない代物でしたが、ドイツ製を買ったら、回っていることを忘れるほど。

あー、そうそう。
先日、ガス爆発があったと書きましたが、イスラエルでガス事故があるのは、たいていが同じA社なんです。
私の住む村が契約している会社は業界内でも「ちと高い」で有名ですが、サービスもいいし、何かあったときの行動が早い。
よく事故を起こすA社は、確かに安い。
先日も、村の人が、「ガスボンベはA社の方が安い。この村はボラれている」と文句を言ってきました。(村は基本的に都市ガスですが、仕事やBBQ用などで12kgボンベを使う人がいる)。

でもね、ガスボンベっていうのはとても曖昧なものなんですよね。
イスラエルで基本的に出回っているのは、小さなボンベが12kg、大きなボンベが48kg。(もっと小さい携帯用もあります)。
この重さはボンベの中に充填されているガスの重さであって、ボンベ自体の重さは含まれません。確かに、A社で買ったら安かったと言っても、ボンベ全体の重さは素人には分からない。
本当に、ガス重量がきちんと詰められているか、誰に分かるでしょう?
つまり、500g減らして詰めて、「12kg入りボンベ。他社よりも安いです」って言うんだって有り得るかもしれない。
抜き打ち検査? ボンベに入っているガスは気温によって左右されるので、充填時の重量を正確に測ることは難しいのです。

もちろん上のは憶測に過ぎませんが、この会社が売る方ではきちんとしているとしても、なぜ安いか?という価格の差はサービスにも現れます。A社がどんな技術者を使っているか知りませんが、こう事故が立て続くのは、明らかに人為的ミスです。
基本的にガス工事には、「LPG取扱責任者」という免許が必要ですが、これを取らずにやっている人がかなりいると言いますから。ま、これはA社に限ったことではないですが・・・。


話が飛躍しすぎましたが。
とにかく。
「少々高くても、イスラエルではいいものを買って大事に使おうよ」、と、5代目の安物電気ポットを見つめながら、ガイジン部員はため息をついたのでありました。
だって、電気ポット3つ買った時点で、有名メーカーのポットが1つ買える値段だったんですよ。
計算しようよ。経理部なんだからさ・・・。
  
posted by Heshbonit at 20:00| イ国の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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