2010年05月17日

ダヴィック

朝からむちゃくちゃ蒸し暑いし、
午後買物行こうとしたら急に雨が降って車ドロドロになるし。
なんだこの天気。
  
スーパーにて。
キャッシャーの姉さん、私の買った米を見て言った。

1kgパックで250円「これ、何するの? まさかスシ?」
「スシでもなんでも。日本料理全部」
「バラバラになるでしょ?」
「くっつく」
「新しくスシ用っていうの、出てるわよ」
「あんなん、詐欺商品。これで十分」
「うそ。私、スシ用を買ってるのに」


【今日のヘブ語:ダヴィック(Davik) −粘着。くっつくこと】
 日本風に炊ける米を一言で表現できます。
 
昨年までは、オージー米を買っていたのだけれど、一時期手に入らなくなって、こっちの米に戻しました。

以前はこれと似たような感じで「リゾット米」という名前だったのですが、リゾット用には本物の「アルボリオ米」が売られるようになり、こちらは「丸い米」という名前に変わりました。

オージー米を見つける前は、「リゾット米」を買っていまして、その時はなんかイマイチだと思っていたけれど、この「丸い米」は品質がよくなったのか何なのか、ちゃんと美味しいご飯になります。たぶんスペイン米だと思うけれどぜんぜん問題ない。
決め手は、ごく少量のハチミツ。ハチミツの酵素がでんぷんを分解して、米の甘みを引き出すそうだ。

最近の空前の漬物ブーム、米食続きで、減りが早い早い。
ちなみにスシ用は、この袋の倍近くする上、全く美味しくない詐欺商品です。
  
ポリシー:くっつかない米は米じゃねぇ。
 
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2010年04月20日

ギルグール

少し前、イスラエル人と「輪廻」に関して話した。
ユダヤ教では、最終的に復活はしても、「死んだら別の人格に生まれ変わる」という概念はありません。
でも、普通の人(厳格宗教者でない人)と話をしていれば、「次に生まれ変わったらこうなりたい」というようなことは言います。ま、誰でも考えますよね。

【今日のヘブ語:ギルグール・ネフェシュ(Gilgul Nefesh】
 輪廻(直訳:魂の回転)
 ギルグール・ネシャマ(Gilgul Neshamah)とも言う。

私は純日本人で仏教徒ですから、輪廻を信じています。
でも、いわゆる「何かが見える人」が、「あなたはかつてフランスの貴族だったんですよ」なんて勝手なことを言う前世占いは頭からバカにしていますが。

今の自分から、前世ってこんななんだろうって思うことがある。

たとえば、「壮絶なまでに酷いクセ毛の女」ですごく苦労し、「次に生まれる時は、顔なんかどうでもいいから髪だけは真っ直ぐに」と強く願った。ところが、色指定を忘れたらしく、結局、苦労するハメに。
そして前世では、「自分の意に沿わぬ一生」を送ったんだと思う。
女は三界に家なし。生まれた場所に拘束されるような状況でとにかく自由が全くない一生を送り、「次に生まれるときは、親にも夫にも子供にも縛られず、思いのまま行きたいところに行って、やりたいことをやりたいようにしたい」と願った。

なんかそんなような、「来世はどうかお願いですからこうして下さい」ということをどこかに陳情して、こうして今世に誕生してきたんじゃないかと。

そして、前世絡みで、これはもう前からずっと思っていたこと。

【前世の死因は、焼死】

私、燃え盛る火が異常に恐い。
コンロの火は平気ですが、焚き火などは苦手。
そして、映画やドラマの炎上シーンに異常なまでの恐怖感を感じる。
アクション映画は大好きだけれど、家や人が燃えるシーンは、全身にかなり強い悪寒が走り、そういうシーンを見てしまった夜は必ず悪夢を見る。
今こうして文章にしていても、強烈にイヤな気分なんです。
たぶん、私、焼死したんでしょうね。

輪廻がどのくらいのインターバルで廻ってくるか分かりませんが、戦争か何か、とても不幸な、自分の力ではどうしようもない、どこにも逃げ場がない悲惨な時代に生まれたんじゃないか、そう思う。
そしてその反動が、この今世。
願ったことを全てやっているのかもしれないが。

次は、普通の平凡な何の変哲もない一生がいい。
普通で平凡であることに満足できる人間に生まれたい。

こういう一生は面白い。でも、一度やれば十分。
自分はどうなろうと勝手だけれど、周囲を巻き込み、不幸にする。
性別は女で。特に男に生まれたいと思う節がないから。
それから、国籍は日本。そしてやっぱ神奈川県民。
     
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2010年02月08日

未就学レベル

うちの村には、村民&その家族限定の墓地があります。
イスラエルは居住地域の墓地に埋葬する場合にはお金が掛からず、また、墓地管理所に対して、国民保険庁から埋葬費用が支払われます。
そういう管理をするのも役場で、お金の出入りは経理部。
しかし、いつもはきちんと合うはずのその埋葬費用の勘定が合わない。いつもなら先輩部員が連絡するのですが、彼女がとっても忙しかったため、仕方なく国民保険庁に電話しました。

「埋葬代が、払われていないんですよ。12月から3回葬儀があって...」
「ん? 何言ってるのか分からない」

そりゃ、語学能力がゼロに等しい日本人がいきなり役所の専門部署に電話してきて、他の人と全く同じ対応をしろって言っても、信じがたいだろう。
しかも、国民保険庁の埋葬担当なんて言ったら、99.99999%、宗教者だ。外国人に対して(英語訛りを除いて)拒否反応があっても仕方ない。

発音が悪いため、発音しにくい単語は意識して使わないようにしている。
一番問題なのはLとR。通常なら何となくのニュアンスで通じているらしいけれど、LとRが違うけれど意味が真逆になる単語や不適切な単語もあるため、一番簡単で一番通じやすい単語を頭の中で選んでいる。
あと、過去に使って聞き返された単語や、意味が通じなかった単語は無理して使わない。語学力は未だに未就学児と変わらない。

電話して言いたいことは、
「当村で12月に2回、1月に1回埋葬があり、埋葬後すぐに申請手続きをし、申請番号を頂戴しているのですが(入金明細には申請番号が記載されるので照合できる)、1月の申請分は先週入金したのですが、その前の12月の2回目の埋葬分の入金がまだのようなので、調べていただけますでしょうか?」

これを未就学レベルで話すと、

「12月に2人、1月に1人死にました。入金の時の照合番号によると、12月の1人目と1月の分の入金があって、2番目に死んだ人の...。え? 違う。さっきから言ってんじゃん。先週の入金は、新しく死んだ人のお金。最新の死人」

隣りの席と、電話口から、同時に大爆笑が聞こえた。

「Heshbonit、【新しく死んだ人のお金】って...」

常日頃、私がどんなムチャクチャな発言をしても決して笑わない先輩部員すらも、耐えられなかったらしい。
ちなみに、国民保険庁の担当は、「最新の死人」がツボだったらしく、その後ずーっと笑いっぱなしでどうしようもなかった。

こんな語学力でも、普通に仕事をこなし、どうにか給料を貰っている。
  
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2009年12月16日

特殊記号

      
【今日の特殊記号】 

【使い方】 1⊥2=3



発祥は、19世紀頃から東欧ユダヤ系の間で使われるようになったらしい。イスラエルでは特殊じゃないですけど、世界的に見たら、「垂直記号」ですからね。

イスラエルはキリスト教発祥の国ですが、ユダヤ教徒が圧倒的な国です。
大半のイスラエル人(ユダヤ系)は、キリスト教にいい感情を持っていません。ユダヤ系だと偽って移民してきたロシア人やエチオピア人も大量にいるため、あからさまにその感情を表現することはないものの、暗黙の了解というか、タブーってやつです。

PCも電卓もプラス記号は普通に「+」と表記されていますから、最近は「+」が市民権を得てきて、「+」を使う人も増えつつあります。
もはやそれが十字だっていうことなんて誰も気にしていないだろうけど、私はガイジンなだけに、手書きで説明する時など、どうも「+」は書いちゃいけないような気がして、努めて「」を使うようにしています。

あ、でも、主流のスクリュードライバーは、「+」です。(通称フィリップス)。そこまで気にしてたら生活できませんから。

あと9日でクリスマス。
この時期は特に、日本の夜景が恋しくなる。ネオンがピカピカ、人がワサワサしているのを見たい。こんな田舎の景色なんてどんどん空しくなってくるだけで、まったく心が落ち着きません。
こういうのはやっぱ、生まれ育った環境が影響するんだろうか。


今日は歯医者でした。
先週入れてもらった義歯が合わないため作り直してもらいたいとお願いしたら、「この並びとこの色にするのは、本人が行ったほうがいい」ということで、来週、技工所(ちょっと遠い)に直接行くことになりました。
歯って、結構、時間が掛かるのね...。
    
◎今日のクリスマス
 いいなぁ、この時代。
   
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2009年12月06日

シャンス

TVCMを見ていて、アレっと思った。

イスラエルにもあるんです。

イスラエル版コックリさん

【今日のヘブ語:シャンス(ルアフ・シャンス。)】
 コックリさん。ウィジャ・ボード(Ouija board)。
 語源はフランス語のSéance(交霊会

発祥は欧州だから、逆に、「日本人もやるの?」って言われるだろう。

鳥居の代わりにダヴィドスター(六芒星)。
その左右に、ハイとイイエ、入口・出口が書かれています。

ユダヤ教では禁じられていますが、イスラエルでもやる人はやるらしい。
日本同様、放課後の学校とかそういうところでやるんだろうか。
    
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2009年11月23日

ビィロクラティア

村役場で働いているため、日本式にいえば公務員ってことになります。
とはいえ、別に将来が保証されているわけではありませんが、ポジションが確立した今、席を追われることもないと思われ、まぁアレコレ言われていることもほぼ麻痺状態、今月から追加された仕事も試行錯誤しながらやっている状態。

お役所仕事って悪く言われますけれど、でも自分自身がこうやって役場で働いていると、そうせざるを得ないんだなってことがよくよく分かります。
些細なことででギャーギャー言って来る人もいますけどね、こっちは内部にいてその何千倍何万倍ものコトを見ているだけに、「たかがその程度のことで...」って思っちゃうんですよ。もちろん思うだけで言えません。役場内部の話ですから。

「Aさんはいる?」「部屋が閉まっているなら不在です」「どうしていないの?」「さぁ」「今日休みなの? いつ来るか分かる?」「さぁ」「この件なんだけれど」「それはAさんの仕事なんで私には...」「じゃ、Aさんにこれについて答えてほしいって伝えておいて」「それはAさんに自分で言わないと、私には何も...」

しょうがないでしょ。
AさんがどうしていないかはAさんの問題であり、同じ建物にいるっていうだけで部屋は違うから、Aさんがいないってことも今言われて気付いたほど。
皆それぞれの分野があるんだから、たとえ若干自分に繋がっていることで大雑把な回答は出せるかもしれないことでも、明確なことは担当に聞かないと分からないから、一切答えません。

そうすると言われるんですよ。

「まったく、なんていうビィロクラティア!」

【今日のヘブ語:ビィロクラティア】
 意味:(口語で)お役所仕事。語源は英語のbureaucracy。

あのね、役所の仕事ってそういう風になっているんです。

一般企業だったらある程度は出来ても、役場において職員が下手なことを言うととんでもないことになるため、権限のないことは何も出来ないし、本当に仕事がカテゴライズされている。
逆に、「あ、それ、こうなっているんですよ」なんて、役場の人間の誰もが誰もの仕事に関与できるようになったら、ムチャクチャなことになります。
こんな吹けば飛ぶような寒村でも、それはそれでホントにいろいろある。
それこそ、うちの村の場合は超少数精鋭であるがゆえに、個々人が責任を負っていて、それぞれが繋がってはいるけれど「部下」だの「代理」というポジションがなく、担当不在なら代わりなる人はいないのです。

じゃ、どうすればいいか?

役場に働いているんだから、いつ何時でも、ずーっとそこに座っているんだろう、座っているのが仕事なんだろう、ってその考えが甘いっての。
今日も夕方6時過ぎまで残りましたが、当村役場では、残業も休日出勤手当も付きません。別にいいんですけどね。担当が自分だけなんだから、自分の仕事の調整次第で休みたい時に休みが取れ、抜け出したい時に抜け出せますゆえ。

だから、いるかどうか、アポイント取って下さい。
  
◎今日の一曲
    
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2009年08月15日

コルノア

◆◆◆ ブログペット デイリーメール ◆◆◆
                      
Heshbonitさん こんにちは! 
BlogPetから最新のお知らせをお届けします。

・‥……… ♪今日のテーマ♪ ………‥・

最近見た映画は?



昨日見たのは、「縞のパジャマを着た少年

これはちょっとな〜。
原作「The Boy in the Striped Pajamas」はベストセラーらしいけれど。
配役はよかった。ハリポタのルーピン先生がいい味出していました。

それにしても、収容所系の映画は「それはないわー」っていうのが多い。
その中で最悪最低なのは、ライフ・イズ・ビューティフル。
おふざけにも程がある。

描き方でリアルだと言われるのは、言わずと知れたシンドラーのリスト。
個人的に好きなのは、映画ではないけれど、バンド・オブ・ブラザーズ。
ストーリー全部好きですが、収容所解放シーンは絶句します。

という今、この傍らのTVでは、ピアニストをやっています。
実話に基づいているそうですが、ま、これは逃亡生活だからこんなものなのかな、とも思えますが。

  
イスラエルで映画館に行ったことは一度もありません。
ま、日本でもほとんど行ったことがない。
他人と一緒にストーリー性のあるドラマや映画を見るのが好きではない上、人のマナーの悪さが目に付くので、行かないほうが無難なんです。


【今日のヘブ語:コルノア(映画)】 
 コール(Kol)は声。ノア(No'a)は動く。
 当然ながら、現代ヘブライ語(造語)。聖書には載っていません。
    
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2009年08月08日

カアクア

なんかすごいですね、のりピー。
土曜ワイド劇場でもここまで面白く書けないだろうってくらい、後から後からいろんなことが出てきて、ようやく本人も出てきました。
誰が結婚したとか離婚したとかは興味もないですが、これだけ事件性が高いと、面白くてついニュースを追ってしまいます。

トランスが大好きだのなんだのと書かれていたニュースには、どうせテキトーなことを書いているんだろうと思っていましたが、左足にタトゥーが入っているという写真を見て、「あ、ホントのことなんだ」と納得しました。
こりゃ完全に、ソッチ系ですね。
トランスはドラッグとの相乗効果で楽しいと感じられる音楽ですから、錠剤なんてとっくに経験済みで、本物を常習していたってことでしょう。
同じ日に錠剤使って捕まった人が「ボクちゃんレベル」に感じます。


【今日のヘブ語:カアクア(Ka'aku'a/k'tovet Ka'aka) タトゥー。刺青】

イスラエルでも一昔前は大人気でした。いわゆる機械彫り。
私がイスラエルに来た頃、テルアビブのバスステーションビル内にも少なくとも5店くらいはタトゥー屋があったし、私の村の近くの街にも3件はあった気がします。今はそのうちの1件しか残っていません。でももしかしたら看板が残っているだけで営業していないかも。

当時、街を歩いているだけでも知らない人に呼び止められ、「タトゥを入れたいから、私の名前を漢字で書いてくれ」って頼まれることもよくありました。
「わざわざそんな馬鹿なことしてどうする気?(...ワタシハ馬鹿デース、って一生消えない判子を体に刻むようなもん...)」
とは思いましたが、馬鹿を死ぬまで曝け出したいかどうか?は個人の問題ですから、漢字を教えましたけど。

一度、腕に【猪】とタトゥを入れている女性を見た時はぎょっとした。
私がビックリしているのを見て、「いいでしょ、これ、読める?」と。
逆に私が、「あなたはその意味を知って私に聞いているの?」と聞き返すと、その女性は「美しい」だかなんだかそういう意味だって言うんですね。

さすがに言うのはどうかと思ったけど、私が教えなくても誰かが教えるだろうから、だったら私が言っておこうと、
「それ、ブタ(Hazir)。誰がどう読んでも...」
彼女は、「日本と中国とは文字が似ているだけで違うはずだ」と反論するんですけど、こうなるとこっちも面白くなってきまして、

「日本語ではその文字は【野生の豚】、そして中国では【豚全般】を指すの。とにかく、【豚】であることには代わりがない。一体、どこの誰がそんなことを教えたのか知らないけれど、【美しい】なんていう意味じゃない。信じられないなら、ネットに写真をアップして聞いてみれば? 間違いなく全員が【豚】と答えるから」

顔色が完全に変わっていました。そして、
「だってこの国は、豚が禁忌なのよ」と騒いで立ち去りました。

豚どころか、ユダヤ教ではタトゥーそのものが禁忌です。

豚と入れようが、美と入れようが、のりピーみたいに「オーム」と入れようが(この文字のタトゥーを入れている人はイスラエルでも多い)、体に文字を刻むこと自体、ユダヤ教では一切認められません。
ユダヤ教式で埋葬する時、タトゥ部分の皮膚は剥がれるそうです。
結婚式の時にも、新郎新婦にタトゥが入っているのがラビに見つかったら、結婚式立会いを拒否されることもあります。

あ、でもあれはどうなんだろ。アートメイク。アイラインとか。
そのうち消えちゃうからいいんだろうか。
          
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2009年07月02日

カエラ=最愛???

先日、ヘブライ語を勉強されている方から、メールを頂戴しました。

「カエラという名前がヘブライ語で最愛という意味だと聞きましたが、そうなのでしょうか。辞書を見ても載っていないのですが」

私もどこかで読んだことがあり、「???」って思ったことでした。
折角なので本日の記事にさせていただきます(了承を戴いております)。

カエラ/ケイラ(Kaela。同様に、Kayla、Kaila、Kajla、Kaelah、Kaylah。派生してkayleeなど)は、東欧イディッシュ語・ロシア語圏のユダヤ人女性に多い名前です。スペルや読み方・呼び方は言語によって若干異なります。
「祖母の名であるカエラの意味を知りたい」と、カエラの語源を研究するイスラエル人が少なからずいるそうなのですが、結論から言いますと、カエラの語源は断定できていません。
しかし、ヘブライ語で「最愛」という意味ではない、ことだけは確かです。

※ 相当マニアックな説明です。一般の方はスルーして下さい。


1:Elah説

Elah(エラ)は、ヘブライ語でオーク(樹木)。女性に付けられる名前です。
さて。
ユダヤ教では「神の名をみだりに唱えてはならない」という教えがあり、聖書に書かれている神の名前「YHVH」は、聖職者が大贖罪日に唱える以外は口にしてはならない、といわれてきました。
しかし、厳格に戒律を守る宗教者の間では、みだりに唱えてはならないということにどんどん拍車がかかり、神という意味の言葉「エローム(Elohim)」も恐れ多いから口にしてはならぬとされ、一文字置き換えて「エローム(Elokim)」と呼ぶようになりました。今でも超宗教者の方達は「エロキーム」と唱えます。

Elah(エラ)は、木の名前なのですが、「EL=神」という単語が含まれているため、「意味は違えども同じスペルで似たような音だから口にするの恐れ多い」となり、一文字「K」を頭につけて、「Kaelah」に。

検証:当時の女性の名前の流行は分かりませんから、「K」が付けられる前に「Elah(エラ)」という人がどれだけいたのか不明なので、なんともいえません。


2:Hilah説

Hilah(ヒラ)は、ヘブライ語で「後光。天使の輪」。女性名です。
上の説明に繋がりますが、「H」が「K」に兌換した、と。

検証:この説はかなり無理があります。
この場合、HをKに置き換える理由は全くない上、Hの発音が出来ないわけでもなければ、Kに置き換えたら名前の意味がなくなってしまうからです。
同様に、Gilah(ギラ。ヘブライ語で喜びの意味)があり、「GがKに兌換した」という説もありますが、イディッシュ語圏に「G」の音が存在するのですから、この兌換は有り得ません。


3:Tzilah説

最も有力なのではないかといわれている説です。

Tzilah(ツィラ)は、ヘブライ語で「影(Shadow)」あるいは「影になっている場所(休息所)」。れっきとした女性名です。
影なんて名前はおかしいだろ、と思うかもしれませんが、元を辿れば由緒正しい人で、箱舟を作ったノアの姑(ノアの妻の母親)の名前です。

ヘブライ語のツ(Tz)は、ラテン文字に転じた時、「C/Ch」となることがあります。
これが、「C」の文字を日常では用いないドイツ語や東欧語になった時に、「K」に兌換されてしまう。
かくして、「Tzilah→Cilah→Kilah→Kaylah...」と変化してしまった、と。

検証:「Elah」と同様、当時の女性の名前の流行は分かりませんから、「K」に置き換えられる前に「Tzilah」という人がどれだけいたのか不明なので、なんともいえません。


4:Michaela(ミカエラ)のショートネーム説

間違いなくこじつけ。
それなら、男性バージョン、「ミ抜きのカエルさん」がたくさんいるはず。
男性名のミカエル(マイケル)の方が世界的に有名なんですから。
何よりも「ミカエラ」の「Ch」は、「カ(K/C)」とは違います。(下で説明します)。


5:Chay-la(カイ・ラ)説 注:私の憶測。

では、一体なにをどうして「最愛」なんて言い出したのでしょうか?

Chay(ハイ/カイ)は、ヘブライ語で「私の人生、命」。Laは、「彼女のモノ」
「私の人生は彼女のモノ」、「彼女に命を捧げます」。
これが「カエラ=最愛説」に飛躍したのではないでしょうか。

たぶん、英語圏在住のユダヤ人やヘブライ語に興味がある人が、「カエラ」という語源の答えがないため、音だけで適当に判断したのでしょう。
喉に引っ掛ける「Ch(ハ)」の音が出来ない英語圏の人は、しばし「K」に近い音で発音しますから(ちなみに、日本人は「ハ」と発音することが多い)。

そうだとしたら、もう完全なこじつけです。

イスラエル建国前に世界各地に離散して住んでいたユダヤ人は、聖書に登場する人物の名前か、現地人と同化できる現地語の名前を付けていました。特に女性の場合、聖書名よりも現地同化名を好む傾向があったようです。
東欧〜ロシア圏の言語に、「カエラ」という名前のルーツが見当たらないとなると、聖書から引用された名前の変形とみなすのが妥当です。だとしたら、上で挙げた「Elah」や「Tzilah」なら説明は付きますが、「Chay・la」は、東欧〜ロシア圏の「カエラ」とは全く無縁です。

というのも、単語の語頭や語尾に「La(彼女の)」とか「Li(私の)」という文字を結合した名前を付けるのは、イスラエルでも20〜30年程前の流行で、歴史的に由緒のある名前でもなんでもないのです。
(例:オルリー=私の光、シルリー=私の詩、リヒ=彼女は私のもの…)。

つまり、ヘブライ語がよく分からない人が辞書をペラペラめくって、、
「カイ(命)+ラ(彼女)…、カイラ…、分かった! カエラは最愛だ!」
なんて感じでこじつけたのでしょう。
第一、ヘブライ語で表記した場合、「K」ではなく「Ch」の文字を使う上、東欧・ロシア語圏に「Ch」の音が存在するのですから、この兌換は言語学上、絶対に有り得ません。

ちなみに、東欧圏で「カエラ」と名乗っていた女性がイスラエルに移民してきた時、音が似ているからと、「Carmel(カルメル)/Carmela(カルメラ)」とヘブライ語風に改名したり、「祖母がカエラだったから」と自分の子供に「カルメラ」とつける人もいたそうです。
「カルメル」は葡萄園の意味で、ユダヤ教聖地の山の名でもあります。なお、「カルメル/ラ」と名乗る人全員のオリジナルがカエラだったわけではありません。

ダメ押しですが、「カエラ」という名前がヘブライ語で「最愛」という意味を持つならば、東欧諸国からこの地に移民したカエラさんが、わざわざ「カルメル(ラ)」に改名する必要はなかったでしょうし、現代イスラエルには、「カエラ」という名前の女性が溢れているはずです。
イスラエルで「Chay・la」という名前の女性、若干はいるらしいのですが、スペルが「兵士(Chayl・ハヤル)」に似ているため、好んでつける名前ではありません。

他にもいくつかありましたが、どれもこじつけで意味不明でした。
「アラビア語で最愛」という説もあるそうですが、だとするとイディッシュ語圏の「カエラ」とは同音異義語ですから、ここでは言及しません。
とは言いながらもさらにダメ押しですが、アラビア語圏出身のユダヤ人女性で「カエラ」と名乗っていた人はいないし、「カエラ」というアラブ系の女性なんて聞かないですね(イスラエルの20%はアラブ系)。

---

なお、Kaelaという音だけを、現代イスラエル人が聞いたら、
「Kaele(それらのような。Like these)」と認識するでしょう。

イスラエル人の彼/彼女がいる人が、メールや手紙の冒頭や語尾に、
「My Dearest」の代わりに、「My Kaela」なんて書いたら、
「私のそれらのようなもの??、ってオレはその他大勢かっ?」
と全く意味が伝わらないに違いありません。

蛇足ですが、LとRを間違えて、「Kaerah/Kayrah」になると、
「どんぶり」です。
           

こんな感じでよろしいでしょうか。
   
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2009年06月02日

備えも憂いも

【今日のヘブ語:タルギール】

訓練、練習。語源は「ラギール(習慣)」。
頭に「タ(二人称)」が付き、「あなたは習慣とする」の意になる。


本日、イ国全土で避難訓練でした。
超危険地域のハシクレ国境10kmにひっそり存在するおらが村役場。
11時にサイレンが鳴っても誰も動かず...。

こちら、いわゆる「イスラエル北部」といわれる地域。
水色の部分がガリラヤ湖です。



赤い地域は、サイレンを聞いたら直ちに安全な場所に避難ってことになっていますが、3年前にイヤってほど実地をやりましたから、今さらです。
1ヶ月間毎日毎日休みなしに、ボンボンバンバンウーウーワーワー聞いたら、どんな誰でも馴れるって。
それに今でもサイレン、たまに鳴るし。訓練じゃないバージョンで。
ってか、現実バージョンでサイレン鳴っても、誰も動かないし。


経験上、下手に家屋の奥に行くよりも、外に出て国境を見つめた方が安全です。
あ、村の中の保育園や宿泊施設従業員は、何かやったらしいです。
国境を見つめる方法ではなく。

仕事は相変わらず。クレジットカード会社からなんか面倒な問い合わせがあってバタバタしました。そのくらいで。

今日もメリハリの全くない、生存報告でした。
ぜんぜん面白くなくてごめんなさい。

◎今日の哀愁
急に思い出して検索してみたら、あった。
こういう人たちだったんだ。
                         
posted by Heshbonit at 23:00| Comment(3) | イ国の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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