2008年04月25日

バスツアーに行こう

添乗員なる職業をしていたのは、20代の時。
専門学校を卒業して就職した会計事務所を辞めて、ある国に2週間ほど旅行に行ったことで何かに開眼し、「旅行関係の仕事の説明会」というものに行ったら、それが添乗員の登録説明会だった、と。
初めは、大手子会社に所属し、地元にある中堅旅行会社に鞍替えし、海外添乗に憧れて超大手に所属して二股かけたものの、結局、中堅に戻った、と。
以前も書きました。そんなです。

さて。
添乗員の仕事にも、ランキングがあります。
一般的には、「海外旅行>国内ツアー」ですが、その国内の同じ募集ツアーでも、「航空機>新幹線・列車>バスツアー」というヒエラルキー。
もちろん、細分すればもっともっとランキングが細かく分かれますが、下っ端はバスツアーから初めて、だんだんとランクを上げていくわけです。
私が最終的に落ち着いたのは、この「地元発着バスツアー」です。

なぜ海外>国内なのかは簡単です。
「語学が出来る人だろうから」「海外旅行の方が大変だろうから」
外国にお客様をお連れして、あれこれ走り回って、到着してから列車やバスに乗って、国から国へと、言葉も違うし・・・。確かにそうですね。
国内だって、航空機や列車を使うほうが大変だろう・・・。ま、そうでしょう。到着してからさらにバスに乗ってバスツアーになりますから。
超大手では、「海外ツアー、特にヨーロッパツアーに出てこそようやく一人前の添乗員。国内なんて下っ端がやること。ましてやバスツアーや日帰りなんて・・・」というのが常識でしたが、私は強い疑問を抱いていました。

地元発着バスツアーってそんなにラクなんでしょうか?
とんでもない。地元発着バスツアーには、海外や国内航空機・列車ツアーではまず有り得ない、『怖さ』があるのです。

海外旅行に行くのは誰しも多少の不安があります。いくら添乗員付きのツアーとは言っても、自分になんらかの支障がある人は申し込む時点で、「私は持病があって」「海外旅行は初めてで・・・」という自己申告を必ずします。
旅行会社側が、「お客様でしたら、こちらのツアーのほうが行程が楽ですよ」とアドバイスをすることもあるし、また、状況によっては、航空会社側が「医師の診断書」を求める場合もあります。
国内の航空機・船舶・列車ツアーにしてもそうです。いくら国内だからとは言っても、不安がある人は申し込み時に旅行会社に相談する人が多いです。

さて、地元バスツアーとはなんでしょうか?
新聞折り込み広告なんかにありますよね。

「K温泉1泊2日バスの旅。K温泉旅館宿泊(予定)。全食事付き。
 出発地:A駅西口→B駅○○ストア前→C駅XX銀行前→D駅中央広場。
 地元から添乗員が同行いたします。お1人様9800円より」

「ねぇ、皆で温泉ツアーでも行かない?」@パート先昼休み
「お父さん、温泉行きましょうよ。A駅から乗れるんですって」@熟年夫婦
「今年の夏休みはツアーでいいか。去年は渋滞でメシ食う場所もなくてもうあれはコリゴリだ。バスツアーで全部込みならラクだろ」@5人家族子供含む
「おじいちゃん、たまには旅行に行きましょうよ。旅行会社の人がついてるから安心だし、バスに座ってれば温泉に行けるんだし、ご飯も付いてるし」@・・・?

そこで、折込広告の電話番号に連絡をし、希望日と参加人数、代表者の名前住所電話番号を伝える。ツアー料金の払い込みが確認されたら参加OK。参加する全員の名前や住所なんて聞きません。年齢を聞くなんてもっての外です。
飛行機や船舶の場合は、国内旅行でも搭乗者の姓名や年齢を全て抑えますが、バスにはそんなものはありません。座っていれば着く・誰でも乗れる。
だから、「あの、本当に大丈夫ですか?」っていう健康状態の人でも気軽に参加できる。それが地元バスツアーの醍醐味。

一般的に海外ツアーというのは、自力で問題なく動ける健康な人が参加し、海外旅行保険にも入っていますが、地元バスツアーとなると、老若男女どんな人でも受け入れる状態になっている。
だから、一体どんな人が来るか誰も分からないんです。あな恐ろしや。

ツアー前日に最終名簿を受け取って旅行会社で準備をします。
名簿には、代表者の氏名住所と人数が書かれています。たとえば、「凸山凹子2名」とあったら、凸山さんは2人組だけれど、同行者が男か女か、家族なのか友達なのか何も分かりませんし、こちらも特に聞きません。

添乗員は凸山さんに電話し、「凸山さまは、バス乗車はA駅からですね。バスは8時に出発いたしますので、10分前にはお越し下さいますようお願いします。お連れの方にもその旨をお伝え下さいませ」と挨拶をする。
この時点で、「実は私は・・・」と相談してくれればまだマシ。
たとえば、「足が弱いので昇降口近くがいい」と言われれば、優先的にバス座席を前のほうにします(国内バスツアーの座席は添乗員が事前に指定します)。
しかもね、前日の確認電話でそういってくれる人って、ワリと平気だったりするんですよ。バスツアー慣れしているから、事前に添乗員に自己申告をしておく、ということも知っているわけですね。

しかし、当日になって、「バス席を前に」って言われても出来ないんです。
前日準備時点で、席割りを作ってバスの入口に貼っているものを、当日に「私は前がいい」って言われて、作りかえるなんて出来ません。1泊なら、翌日の席替えしますが、日帰りツアーでは乗ったら乗りっぱなしですから。

さて、これを踏まえて、いくつか思い出してみました。

長くなるので一旦切ります。(コメントは下にまとめてお願いします)
posted by Heshbonit at 18:00| ノスタルジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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