2007年09月18日

名前にまつわるお話

先日、ある方からメールを頂戴いたしました。
(ちゃんとPCの前で「メールが来たよん♪ 来たよんよん♪」って小躍りしました。ああ、したさ。しましたとも!)

「ユダヤ人の名前に関して教えてください」

ほほぅ・・・。
メールで頂いたのに恐縮ですが、ネタ不足の昨今、回答をブログ記事にさせていただきます。

「ユダヤ人には、子供の名前を付けるときの決まりはあるのですか。日本のように姓名判断や占いのようなものはありますか?」

決まりは聞いたことがありません。宗教上つけなければならない名前もないし、宗教者にしか許されない名前なんていうのもありません。また、宗教者だからと言って、聖書に出てくるような名前を漬けなければならないという決まりもありません。
占いっていうのは、あるかもしれませんが、聞いたことがないです。
でも姓名判断とか画数とか、アジア特有のものなんじゃないでしょうか。

あれこれ見ていましたら、日本だと、「親の名前の一文字を付けると、親より出世できない」と気にする人もいるらしいですね。
これはどうなんでしょ。天皇家なんて皆、「仁」が付いてるし。
徳川家だったら、そりゃ、家康を越えられた人はいなかったですけどね。

イスラエルでは、「自分の親の名前を、生まれてきた子供に付ける」というのが普通にあります。ってか、あったようです。
過去形にしているのは、最近は現代的もしくは奇抜な名前を付けるのが主流で、親の時代の名前をつけるってことが「おそろしくおかしい」ことだと思われてしまっているから。

ま、ある意味、分からなくもないんですよ。
イ国って、よく思ってくれない人が多いから、コテコテなユダヤ人名や一発でイスラエル人と分かる名前よりも、ちょっと変わった名前にしておいた方が、いろんな意味で無難だ、と。
ユDヤ人を狙ったハイジャックでは、全搭乗客のパスポートを回収し、その名前で判断して『解放組か人質組か』を分けた、という話もありますし。
とはいえ、それでもファーストネームはユダヤ人らしさを回避できても、名字は変えられないけれどね。


私のホストマザー(的存在)のサラレは、子供の時に母親のエステル亡くしました。その後、母代わりになって育ててくれたのは、伯母のハナ。
そこで彼女は、娘のエステルに、生まれてくる孫に「ハナ」という名前を付けてほしい、と言った。すると、娘が、「そんな名前、付けられないわよ! ミドルネームにするのだってイヤ!」と爆笑したとか。
爆笑されちゃうんですよ、今の時代は。

時代を超えても愛される名前に「ヤエル」があります。
意外とこの名前も「親から引き継いだ名前」という人が多いらしい。
なんでも、親やその親がイスラエル建国前(つまり東欧諸国にいる時)には、「ユリア/ジュリア」という名前だった人が多いと。
そういわれてみれば、北アフリカ系でヤエルってあまり聞かない。
前にどこかで書きましたが、親がマルガリータ(マーガレット)だったから、娘がプニナ(真珠)とか、親がゴルダだったから、娘にパジット(金+女性形)と付けるとか、イスラエルでは普通です。ってか、でした(過去形)。

ま、親の名前を付けたから親を超えられない、というのは、日本に伝わる迷信みたいなもの?だと思います。
「父がアブラハム・母がシガリット」だったら、ヘブ文字を10文字使っちゃってるわけ。ヘブ文字は22文字しかないんですよ。残り12文字で名前を作れって言っても、そりゃ不可能でしょ。日本語みたいに、2928文字+ひらがなかたかなが使えるならばいくらでも出来ますけど。


なんか自分で書きながら話がつまんなくなってきたので打ち切りますが。


でも、アレですよね。日本人の名前って分かりやすいでしょ。
たとえば、ってたとえが悪いけど、航空機事故などがあった時、「ホンダ・タロウ」「マツダ・ハナコ」と搭乗客名簿に載っていれば、まず間違いなく日本人もしくは日系人だから、各国の日本大使館も動きやすいと思うんですよ。
これが、「アブラハム・コヘン」「サラ・ゴールドシュタイン」だと、まず間違いなくユダヤ人なんだけれど、それがイスラエル人かイギリス人かアメリカ人かオーストラリア人かは分かりませんから。

そう考えると、やっぱり日本人は日本人らしい名前にしておくのが一番いいんじゃないか?と思ったりする。

・・・って言いつつ、私、人質組になりかねない名前だ。orz・・・。
万が一の時は、各国の日本大使館の皆様、どうぞ気が付いて下さい。


ひらめき 他の方に質問を頂いたので、「ユダヤ系」に多い名字シリーズ

マン、シュタイン(ストーン)、ベルグ(ブルグ・バーガー)、バウム(ボイム)、ブルーム、フェルド、ハイム・・・、という語が付いていたらまずユダヤ系。
上に挙げた語の前には、ゴールド、コッパー、ルービン、ローゼン、グリーンなんかが付いたりしています。「ゴールドベルグ」「ローゼンフェルド」など。ハリウッド映画のエンドロールなんかを見ていると、よく並んでいるでしょう。

ヤコブスキー、アブラモビッツ、デヴィドソンなど、名字に旧約聖書の登場人物名が入っているのもユダヤ系に多いです。
そのものズバリ系の名字は、レヴィ(リーバイス、ルイス)、ラウ(ロウ)、コヘン(コーエン、コーン、カーン)、カガン、カプラン、カツ。あと、ホロビッツ、ヘルショコビッツ・・・など。

但し、母親がユダヤ人でないとユダヤ人とは認められないため、この時点では「ユダヤ人・ユダヤ教徒」とは断定できず、「ユダヤ系=先祖にユダヤ人がいる」ということしか分かりません。
ちなみに上に挙げた名字はいわゆる「東欧系」で、北アフリカ系だと多種多様で一概にはいえなくなります。

古来よりユダヤ人は、「ベン・◎◎◎(◎◎◎の息子)」という姓を名乗るのが一般的でした。
ところが1803年のナポレオン戦争後、全ユダヤ人に、「アンタ達の、そのベンなんとか、っていう名字、分かんないよ。普通の名字を決めるように」というお触れが出たため、自分達が住んでいる土地や自分達の職業の名前を名字にしたのが発端です。
「アブラハム・ベン・モーゼ」「モーゼ・ベン・ヨセフ」「ヨセフ・ベン・アブラハム」「アブラハム・ベン・アブラハム」・・・なんて感じで皆が名乗っていたら、何がなにやら分かりませんよね。
そこで、住んでいる場所や職業を名字にしたというわけ。

もうひとつの特徴として、女性のファーストネームが名字になっている人もたまにいます。
これは、上で書いたように、「母親がユダヤ人であれば、ユダヤ人とみなす」というユダヤ教の決まりから。
つまり、父親がどうであれ、「私の母親はユダヤ人だったから、私はユダヤ人。だから姓を母の名前にしよう」ということを主張するためらしい。尤もこれは、イスラエル建国前後、この地に移民に来てからというケースが多いらしいですが。

ということです。ダラダラ書きましたが、ヘブライ語を専門に勉強したわけではないので、詳しい方を探して聞いてくださったほうが早いと思います。お力になれなくて申し訳ありません。

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posted by Heshbonit at 22:00| イ国の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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