2007年08月31日

プチ国際逃亡犯

事の発端は今月初め頃。

大手建設会社の社長が逃げたという話が、速報でイ国全土に流れました。
そして、既に手付金を払った人達が、「ここはオレの家だ!」と建設予定のマンションの部屋に入り込み、それを阻止しようとする警察や警備関係者と衝突をするという大騒動が始まった。

さて、ヘフツィバというイスラエル大手建設会社(同じ名前の居住地もありますが無関係)。1968年、モルデハイ・ヨナによって創業され、現在の社長は2代目のボアズ・ヨナ(初代モルデハイは会長)。

1992年、骨組みだけで手付かずだったテルアビブの中央バスステーションを完成させたことで、会社名が一気に広まる。
「お手頃価格でコンパクトな住居をたくさんの人に!」というのが、親しみやすく分かりやすい、ヘフツィバのコンセプト。
つまりは、『薄利多売方式』で、より多くの庶民により多くの住居を建てては売りさばくというのが、ヘフツィバ商法。
その後も、イ国の中部や都心部にマンションやメゾネットをばんばん建てた。
2006年、「ヘフツィバ・グローバル」を設立し、ルーマニアに進出。
また同年、宗教者向けの住居の大量建設に着手。
2007年、イスラエルの建設中住宅の10%はへフツィバ社・・・。

さて、ここまではよかった。
いや、よくなかった。
大体、こういう華々しい裏には何かあるもんですよ。

2006年末の決算で、粉飾決算が明るみに。
そして、2007年8月、代表取締役のボアズ・ヨナ、国外逃亡。

なんと、逃亡の3日前まで、住居購入者らに、「建設保証金の小切手名義は私の名前に」と言って、名宛人ボアズ・ヨナで小切手を書かせてたっていうんだから。
ま、引っかかる人達もおかしいけどね。なんで個人名で小切手を渡すのよ? ちょっと考えれば分かるじゃん。しかも少額小切手じゃないんだから。

ボアズ・ヨナが逃亡する数日前には、イスラエル大手のグループ企業が買収する話もあったらしいけど。ま、それが決裂したから、逃げたんでしょうね。
で、逃げる直前に、ウブな子羊から集められるだけのお金を集めた、と。

ヘフツィバ・グループの総負債額が15億シェケル(420億円)。
銀行債務だけでも、8億シェケル(225億円)。
もうどうしようもありません。

問題は家の手付金を払った、或いは買っちゃった人達。
住居を一般人が購入した場合、不動産庁に登記の名義書換をするわけですが、今回のように、建設業者が分譲マンションを販売し、一般人が購入した時、購入者は「仮所有者」として「部分登記」され、マンションが全戸完売(或いはそれに近い妥当な戸数。特に規定はない)され、ヘフツィバ社が、各分譲所有者の名義変更手続きを完了するまでは、建設業者の所有とみなされます。この移行期間に関して、現行の法律では規定がありません。
いくら手付金を払っていても、或いは全額払っていても、所有者であるヘフツィバ社が登記書換をしていないのは事実であり、現時点では、いくら泣いても喚いても、ヘフツィバの所有財産なわけです。
ちなみに、不動産登記のことを「タブー」と言います。
これはヘブ語じゃなくて、トルコ語由来。

なんと調べた所、過去にこの会社が売り続けた住居の多くが、この不動産登記登録をしていなかったそうです。もうムチャクチャですよ。
登記登録の変更をしていないってことは、たとえば完済して10年以上住んでいても、法的に見れば、「ヘフツィバの所有建物」なわけで、分譲マンションを売って別のところに引っ越そうにも、売りに出せない状態だったりすると。

ということは?
分譲で買ったはずが一部所有としかみなされず、登記上はヘフツィバ社の資産。
会社が倒産したら、会社所有の動産・不動産は債権者で分配・・・。え?
被害者数がハンパじゃないだけに、最大債権者の銀行は、「既に保証金を払っている人の不動産に関しては、手をつけない」とは言っていますけれど。


さて、ボアズ・ヨナ社長ですが。
逃亡後、すぐに国際指名手配されました。もちろん、直ちに資産凍結され、父で初代社長のモルデハイは裁判所命令で自宅拘束されました。

インターポールのサイトより引用
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そして、ルーマニアでの目撃情報とかいろんな憶測が飛び、昨日午後、イタリア北部のレストランで逮捕。ハイ、ごくろうさん。

世間の憶測では、インターポールとの提携がない国にいるんじゃないかとか、アジアのヤバめな国に飛んでから南米に抜けたんじゃないかとか、いろいろと言われていたんですけどね。
ルートは、「イスラエル→ドイツ→オーストリア→ルーマニア→イタリア」だったそうだ。なんでもルーマニアで偽造パスポートを入手したとか?
もしも、偽造パスポートを手に入れたんだったら、何をイタリアなんて近場をウロウロしてたのか。あまり頭のよろしくない人なんじゃないの?

例のらいおんハート♪こと大富豪ガイダマック氏がヘフツィバを買うか?なんていうデマも飛びましたが、現在、別の買収に大忙しで、眼中にないみたいです。


最後におまけ。
ヘフツィバって、日本人の耳には変な名前ですが(言いにくいし)、
『ヘフェツ(望み・喜び)+イ(私の)+バ(彼女にある)』
の3語が連なって出来た単語。
『バ(彼女にある)』とは、イスラエル(ヘブ語で国は女性形)を指す。
つまり、「私の喜びは、イスラエル国にある」と。
建設会社として名前だけは麗しいじゃん。やってることはムチャクチャだけど。
posted by Heshbonit at 17:00| イ国のニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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