2007年03月30日

アレもコレもダメ

ユダヤ教最大の祝祭であるペサハには、いろんな決め事があります。

簡単に言えば、麦と名のつく製品とイースト類を食べてはいけません。ペサハ前にはこれらを家庭内から一斉排除します。

イスラエルの宗教者は、燃やしたりしますが、たまたまコメリカのサイトを見ていたら、「家に余った麦製品を売りましょう」なんていうのもあるみたいですね。たぶん、慈善団体とかにでも安く売るのでしょうか。
また、鍋釜皿食器をグツグツ煮えている大釜で煮沸消毒してもらったりもします。古い食器を買い換えたりするものこの時期です。

中世ヨーロッパでペストが大流行した時、ユダヤ人街では感染患者がいなかったため、「ペストはユダヤ人が流した」と罪を擦り付けられ、大量に殺されたこともありました。
年に1回でも、家中を大掃除して、家に残っている古い食品を捨て、鍋釜を煮沸消毒したら清潔を保てるってもんです。あと、日常生活においては行水の戒律(ミクヴェ)もありますし。


マツァ(マツォット)ペサハ期間は、麦類にイースト、ベーキングパウダーの類はダメ。
醤油もダメです。ビールもウォッカももちろん。シュニッツェル(パン粉をつけたフライ)も当然ですね。
新聞の調査では、「ペサハ期間中に、マッツァ(複:マツォット)と呼ばれるクラッカーしか食べない」という人は、イスラエル国内のユダヤ人全体の74%もいるそうです。大したもんだ。
補足しますが、ペサハ前の大掃除をした日から、既に家の中にパンを持ち込めず、マツァを食べます。家中の麦とイーストを排除したのですから。
スーパーの麦製品が並ぶ棚には幕が張られ、頼んでも売ってもらえません。

マツァ? 一般的に販売されているものは、一辺が20センチの正方形で(なぜこの大きさなのかは不明)、カロリーは1枚120kcal程度。1枚ではお腹いっぱいにならないし、味も塩っ気もないため、何かつけなくては食べられません。
最近は、子供向けチョコ味や、栄養タップリ卵入りなどもあります。
また、ダイエット用マッツァでも、70〜100kcalはあります。


さて、“東欧出身のユダヤ人”にはもっともっと厳しい取り決めがあります。
「キトニヨット(Kitniyot)」

ペサハ期間中は、麦の類とイーストに加え、「その他のあらゆる穀類、豆類。それらの加工品」も全部食べちゃいけない、と。

以前、簿記教室に通っている時のこと。ペサハの1週間前の授業に、友達がポップコーンを大量に作って持ってきたことがありました。
彼女が東欧出身の家系で、ペサハ期間中は、「キトニヨット(その他穀類&豆類)」を食べないという教えを守っているから、「捨てるのはもったいないから、ペサハ前に皆で食べよう」と。

穀類だから、お米もトウモロコシもダメ。ありとあらゆる豆類もダメ。もちろん、ピーナッツも食べてはいけません。
だから、大豆油もコーン油もダメ。捨てましょう。その代わりに、この時期は「パーム油」を使います。
この国の人がダイエットに食べる「こめはぜ」を固めたような軽いおせんべいもダメです。モヤシももちろんダメですね。
日本酒とバーボンもダメです。ペサハ前に飲みきっちゃってください。でも芋焼酎は大丈夫です(カシェル認定を受けていればですが)。
イスラエル人が大好きなフムスなんて、もってのほか。
ピーナッツクランチが入ったチョコも、ピーナッツバターも捨てようね。
この時期に売られるスナック菓子は、ポテトチップスくらい。あとは皆、ペサハ用の特別なもの(片栗粉やココナッツ粉などを使ったクッキー・ケーキなど)。
豆乳も豆腐もダメです。ダメダメのダメ尽くし。


“北アフリカ諸国出身のユダヤ人”には、この規則がないため、麦類・イースト類以外の食品を家から排除することはないし、スーパーにも普通に売られています。(米や豆を使った製品には、ペサハ期間中は、「キトゥニヨット」という言葉が印字されている)。
彼らに、「米類・豆類はダメです」なんていったら、暴動が起きるでしょう。



「だから、マリファナも吸ってはいけません」

・・・初めからそんなもの、吸っちゃダメでしょ。

イスラエルには、『アレィ・ヤロック』という政党がありまして、マリファナを合法的に認めろ、と主張するヒッピー崩れから始まった党なんですが、彼らが先日、こんなことを発表しました。

「宗教を厳格に守っているマリファナ愛好者の皆さん、麻はキトゥニヨットに含まれます。ペサハ期間中には注意が必要です」

それ以前の問題です。放っておきましょう。



それでも、イスラエル国内の宗教者会議においては、
「先祖が東欧出身の人とも、北アフリカ出身の人ともこだわらず、イスラエル国に住む全てのユダヤ人は、」・・・と前置きし、

「・・・この国のおいては、キトニヨット(豆類その他)を食べてはいけないとは断定しない。もちろん食べたくないならば、食べる必要はない」

・・・という発表もありました。


ま、私には何の関係もありませぬ。
パンも大量に買い込み、粉もイーストも万全。
それから、アRブ系の方達の居住地区では、ペサハ期間中の麦製品もイーストも販売を認められています。そこまでは強要できないですからね。

粉も米も豆もダメってことで、ペサハ期間中の、イスラエル国内におけるジャガイモ消費量は15%アップするそうだ。


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posted by Heshbonit at 15:00| イ国情緒 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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