2007年02月26日

走る凶器

[今日の天気:小雨

出勤。
いつものように適当なお仕事。
先週ホリデーだった某部門のS嬢、今日出てきたけれど、留守中に事務処理がされたものとされていないものがグチャグチャでパニック。雨の中、某部門に呼び出され、仕事に付き合う。


さて。
イスラエルの田舎地方では、『トラクトロニーム』という看板を目にします。
トラクトロン(複:トラクトロニーム)。日本では、3輪or4輪バギーといえば分かるでしょうか。

トラクトロン

田舎地方に来た観光客に対しての『レンタルで貸し出します』という看板で、このバギーで山道やら砂漠やらを走って遊びましょう、というものなんですが、山道と砂漠だけ走っていてくれたらありがたいものの、公道まで走ってくれます。

公道でコイツがいると、すっごく運転しにくいわけ。バックミラーもドアミラもないような車だもん。ついでに方向指示だってない。方向指示器がない場合は、左手で手信号を出すことになっているけれど、バギーで手信号出す人なんて、1度も見たことがない。
土曜や祝日、私が住む辺りの道路を走るのは怖いですよ。こいつらがビュンビュン飛ばして走るんだから。事故も多いわけだ。

今日の国会で、『バギーは普通免許所有者のみ。最高時速40km/hまで』という規則が、ようやく決定いたしました。

従来は、“トラクトロン”という名前から分かるように、トラクター免許(16歳から取得可能)で乗れる乗物だったのです。
上の写真見ても分かるでしょ? 運転しているの、どう見ても子供です。
そして貸す方にしても、まぁいいや、っていう気持ちで免許の有無をそれほど問わない、というケースが多いらしい。
そんなものが90km/hで走っている乗用車を後ろから追い越そうとしたりするんだから、危ないったらないわけ。



しかーし。

イ国にはもっともっともーっと危ない乗物があります。

カルノイット

カルノイット。

電気で走る乗物。最高時速15km/h。

イスラエルってのは車社会で、日本のように自転車で買物に行く姿はあまり見ません。
このカルノイットの需要は、爺さん婆さん。
基本的に、歩道や私が住んでいるような村や各種施設内を走る乗物、として売り出されていて、無免許で乗れます。
「カル(簡単)」+「ノア(動く)」という言葉から生まれた名前です。
簡単に動くから、カルノイット。ジジババが気楽に乗るわけだ。

・・・が、忘れちゃならねぇ。ここはイスラエル。

ジジババが堂々と、町の車道の端をこいつで走っちゃうわけ。
マジで怖いよ。ジジババの運転だからね。
いつどうよろめくか分からないし、いつどう止まるか分からない。
日本の自転車もそりゃ怖いけど、このカルノイットに乗っているのは、大体が足腰弱ったジジババなんだから。
最高時速は15km/hだけど、そんなヨタヨタなジジババだから、速度だって歩くのとさほど変わらない程度しか出さない。ま、これで暴走されたらもっと怖いけど。
足腰が弱ってないジジババは、車を運転するもん。それもまた怖いけど。


当然、こんな乗物が車道の端を走るのは、違法です。上に書いたように、カルノイットが走る所は法律で決まっています。
でも警察が取り締まっても、翌日にはまたコレに乗って買物に行ったり病院に行ったりしちゃうわけだから、どうしようもないんだって。
それを抑えようにも、
「あたしゃ、病院に行かれないじゃないか。このババに病院に行くなっつー権利が警察にあんのか? 病院行かずに死ねっつーだか? おー?」
ってジジババにクダ巻かれちゃう。困ったものだ。
だから、警察もあまり真剣に取り締まらない。そして、ジジババがカルノイットで車道の端を平気で走る。そのエンドレス。

バギーの場合は、主に若者がムチャな運転をするから、というのが問題だけれど、こんなものに乗ってジジババが車道の端を走るっていうことの方こそ、真剣に考えるべきなんですけど。

運転免許の試験直前、「落ち着けよ。この街の人は優しいから、教習車には譲ってくれるから大丈夫だ。しかし、カルノイットには絶対に気をつけろ」と、先生に言われました。


先日、老人施設内でこのカルノイットに乗っていたジジ(92)が、施設内を歩いていたババ(年齢非公開)を轢いてしまい、轢かれたババがジジを訴えた、というニュースが載っていました。

問題は、カルノイットは電気で走る“乗物”であるが、いわゆる“車輌”とは認識されていないということ。つまり、強制保険にも入っていないし、免許も無用。
となると、このジジと乗物を裁く管轄がどこになるのか?ということ。
もしこれを、車輌として認めると、運輸省の規定により、強制保険に加入しなければならないし、免許有無も問われることになります。

この裁判は来月だそうです。



コメ系の車会社にて派遣で働いていた時の社員さん達とは、ときどきメールでの付き合いがあるのですが、3年前、私が生まれてはじめて免許を取れた!とメールしたら、

「今日から“走る凶器”を乗るんだ、ということを肝に銘じるように」

という有り難いお言葉を頂戴いたしやした。
車一筋の人たちにそう言われると、何ともまぁ・・・。
ホントに、車は凶器。怖いです。でも好きです。

ちなみに、私が村で移動用(仕事)に乗っているのはクラブカー(ゴルフカー)。
うちの村は坂だらけなので、カルノイットは使用できません。
強制保険には加入しています。
posted by Heshbonit at 18:00| イ国情緒 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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