2007年02月23日

イ国人御用達

[今日の天気:曇り]

金曜日、半日出勤。

いつものように仕事をし、今日はサッサと切り上げようと思っていたら、宿泊部門の番頭さんとマーケティング担当さんがやってきました。

実は先日、日本人宿泊者2名様がいらっしゃいました。
偶然にも私が出勤する時に出会って少し立ち話しただけで、どういう経緯でうちを選んだのかまでは聞きませんでしたが、その方は、「ホテルばかりではなく、こういう所に泊まるのは面白い」と評価されていました。
そのお客様がチェックアウトされる時にその旨を番頭に話したそうで、マーケティング担当も一緒に、「日本人観光客を持ってきたらどうか?」ということについて話をしたい、と。

「Heshbonit、前に日本人にはムリだ、なんて言っていたけれど、こないだ泊まった日本人は面白かったって言ってたぞ。それに欧・米からの外国人観光客も泊まるんだし、日本人だっていけるんじゃないか?」


というわけで、

イ国のツィメル(民宿。日本風に言うとペンション)に日本人を持ってこられるか?ということに関して、元添乗員&現地係員の私の見解。


では利点。

面白い
そりゃ面白いですよ。外国人が宿泊するようなホテルなんてどこも同じようなつくりですからね。現地人が旅行で泊まる民宿に泊まるっていうのは趣きがあります。

それなりにきちんとしている
民宿って言ったって、24時間温水は使えるし(バスタブ有りと無しの部屋があるが、各部屋トイレ・シャワーは完備)、全室冷暖房があるし、テレビもあるし、簡易キッチンと冷蔵庫も付いています。過ごすには快適です。

番頭もマーケティング担当も、「そうだそうだ」と喜ぶ。


じゃ、デメリット。

ベッド
どの国もそうですが、大半の国はツインベッドよりもダブルベッド仕様が多い。一般募集の日本人観光客を入れる場合、ダブルベッドの部屋ではダメなのです。

すると、「ツイン仕様の部屋の方が多い」と番頭。ダブル仕様は昨年建て増しした部屋だし、もしツインがいいならば、前日に入れ替えることも可能だそうだ。
「外国人学生グループの宿泊では、ツイン仕様が規定だから、ツインを好むのは日本人に限ったことではない」と営業担当。

んー、いくらツインベッドでも、シングル(90cm)では幅が狭すぎます。最低、100cmは必要なんですけど。
まぁそこは100歩譲って、「ここはこうなんです。ちょっと狭いですが、民宿風の地元のペンションってことで、情緒を楽しんでください」と、添乗員に頭を下げてもらいましょう。

欧州の古城ホテル(シャトーホテル)なんかだって、部屋の大きさがバラバラだったり、バスタブなしの部屋があったり、お湯の出が悪かったりしますから、それに比べたら(快適さだけを言うならば)、イ国の民宿の方がマシでしょう。


「Heshbonit、大丈夫じゃないか。『イ国の田舎の民宿に泊まる』って、面白いよ。旅行会社にそういう触れ込みしてみたらどうだろう」


だったら、最大のデメリットを言いましょう。

騒音[そう・おん]:やかましい音。うるさいと感じられる音

うちの村の部屋数は80室。
日本からイ国に来るグループはせいぜい20人程度、ってことは10室+ガイド・添乗員・ドライバーの部屋が埋まります。
残りの部屋は、おそらくイ国人観光客が泊まることになるわけですが、イ国人、うるさいんですよ。
外でマンガール(バーベキュー)をやるし、遅くまで外に座ってベラベラしゃべるし、ところ構わずタバコは吸う。子供は奇声を上げて走り回ってイタズラをする。

日本人は、煙にも騒音にも、とってもセンシティブなのです。
シティタイプのホテルだったら、ドアと窓を閉めてしまえば外からの騒音はカットできますが(上下左右の部屋からの振動はともかく)、うちの村は戸建の民宿形式ですから、そうはいきません。窓だって、ホテルのようにピッチリと閉まる頑丈なタイプではなく、一般家庭と同じサッシ窓。しかもペアラガスではない。

添乗員やガイドにしても、温水が出ないとか部屋が狭いとか掃除が行き届いていない・・・などというトラブルは、何とか頭を下げてガマンしてもらえても、「うるさい」っていうのはどうしようもないのです。
添乗員・ガイドとも疲れていて早く寝たいのですから、許せません。

どうせフロントのあなた達に言っても、「仕方ない。外でバーベキューをやるのも、外に座って大声で話すのも、イスラエル人のカルチャーなんだから。11時くらいまでガマンしろ」って言うだけでしょう?


田舎に来て、のんびりと地元の民宿風な宿泊施設に泊まる・・・。
イメージとしたら、

空には満天の星、遠くから虫の声が。昼間の暑さを忘れさせる乾いた冷たい風に吹かれながら、嗚呼こんなに遠くに来たんだなぁ・・・と異国情緒に思いを馳せる。

しかしそこで、

周囲が夜中までうるさい・バーベキューやタバコの煙がひどい・隣りの部屋から怒鳴り声が聞こえる(たぶんそれはイ国人の地声)

っていうのでは、何の趣きもないです。ってか都心に泊まってうるさいのよりももっと頭にくること間違いなしですよ。。
先日、日本人の個人客が宿泊された日は平日で、たまたま外国人の学生グループだけで、イスラエル人のように夜中まで焼肉やって大騒ぎもせず、静かだっただけでしょうね。

「そういえば、先月、コメ系学生グループが来た時、イ国人宿泊客が夜遅くまでうるさいって、ケンカになったことがあった」
「・・・で、どうしたの?」
「だからって外で話すなとも言えないし。お金を払ってきているんだから」

ほらね。コメリカ人の若者ですら耐えられないイスラエル人の騒音、日本人が耐えられるわけがないでしょ(爆)。
ってか、「騒音を出すイスラエル人だってお金を払ってきている」って何それ? お金さえ払えば騒音だしていいの? 
コメリカ人だって、わざわざ高いお金を払って海外から来ているのに、騒音にガマンしろって言っちゃうわけ?

うちの村に泊まりに来る外国人は学生グループが多い。それだけに、日によったら彼らの方がうるさいこともあるかもしれません。それに学生にとっては、一般的なシティホテルよりも、民宿形式の方が泊まりやすいですよね。
けれども、日本から来るグループは中高年が多いから、夕食後は部屋で静かに過ごして体を休め、早く寝たい人がほとんど。
うるさくて眠れないという苦情が殺到するのは目に見えています。

・・・2人はちょっと期待が外れたって感じで帰りました。


あとは価格でしょうか。
これは2人には言いませんでしたが、日本のツアーって言うのは大体価格が決まっていますよね。
それでランクを落とした部屋に泊まるとなると、お客様はとっても敏感ですから、「あそこで田舎に泊まったんだからもっと安い料金になるはずなのに」と気にするわけですよ。
そこが古城ホテルで期待はずれだった、っていうのとの違いです。

マーケティング担当は、「旅行会社に営業に行ったら、『日本人は注文が多いから、ホテルに泊めるのが妥当』と言っていた」と。
そりゃそうですよ。イ国の旅行会社だってバカじゃない。
ツアー終了後、日本の旅行代理店が、「お客様からのクレームが多かった。なんでそんなうるさい民宿を紹介したんだ!」と、後日、旅行代金を振り込まないってことも有り得るのですから。
以前働いていた某国の現地旅行会社で、本当にそういうことがありましたからね(理由は騒音ではなかったけれど)。



毎年、ペサハ(過越し祭)の時、コメ系やエゲレス系のユダヤ人(宗教に厳格な方達)が、うちの村の宿泊施設に連泊なさいます。
ペサハ期間は宗教的規制が多いため(食べ物とか家の掃除とか)、コメリカやエゲレスで過ごすするよりも、イスラエルの宿泊施設に連泊した方がラクなのです。
うちの村は、ガイジンでも住めるリベラルな村で、宿泊施設においては、アRブ系イスラエル人大歓迎で泊めます。
それでも、宿泊施設・食事処とも、ペサハ期間は完全に宗教方式に則りますから、厳格な宗教者を泊めることが可能なのです。

ところが今年は、いつもそういった方達を取りまとめる会社が、「北部国境から10kmなんて危険そうだから、泊まりたくない。もっと安全な場所がいい」と難色を示しているそうです。
・・・戦争が終わって、半年以上経過しましたけど。


昨日、イ国の観光大臣が変わりました。
なんとか打開できるでしょうか・・・。


ちなみに、うちの村があるところは、日本の外務省の基準によると、「十分注意してください(レベル1)」で、普通の所と全く同じ。

外務省安全情報より引用。クリックすると大きくなります

国境ギリギリは、「渡航延期をお勧めします(レベル3)」です。

どうでしょうね、いつはくさん・・・
posted by Heshbonit at 17:00| 日本⇔イスラエル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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