2006年11月25日

勤労感謝の日

土曜シャバット。

特にやることもなく、ぽかーんと過ごしています。

一昨日、日本の祝日だったというからなんだっただろう、と考えたら、『勤労感謝の日=勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあう日』だったんですね。


一時帰国していた時、あちこちに求人情報なるものが無料で置いてあって、暇ついでに手にとって読んでみましたが、日本にいれば、仕事が終わった後にサイドビジネスすることだって可能なんだよな・・・なんて思いました。
地元のスーパーだって夜25時まで営業、なんて書いてありましたし。


正社員として仕事を見つけるのは大変でも、フリーターの仕事って山のようにありますよね。実際、百円均一にしてもコンビニにしてもスーパーにしてもどこにしても、支えているのはフリーター。
10代から30代の2割がフリーターだそうです。
フリーターがどうのこうのと悪く言うワリには、結局、現代の日本経済を上手い具合に支えているのはフリーターという業務形態があるから。

帰国して、日本の物価がものすごく安いと思った。
百円均一にはどう考えても百円とは思えないような商品が山のようにある。千円出せばまとまった昼ごはんが食べられる。1980円のシャツだって全然悪くない。
どうしてこんなに安いのか?って、大量生産だからとか周辺アジア国で作っているからというだけじゃなく、単純に人件費が安いから。
フリーターがいるおかげで物価が安い。百円均一の店員が全員正社員だったら、全商品倍の値段がつくだろうし、そこらの牛丼屋にしてもラーメン屋にしても1杯千円出さないと無理。

一般的な時給800〜850円。フリーターの給料から源泉所得税だけを引き抜くだけで、社会保険も年金も、雇用主には何の負担もない。
ま、私が添乗員をしていた時にしても派遣社員や契約社員をしていた時にしても、国民保険で国民年金でしたからフリーターと同じ。ただ、「専属の契約添乗員」とか「派遣社員/契約社員」という漢字での名前があって、フリーターという言葉を使わないだけのこと。


日本のあちこちに行って、ネット配信の新聞や情報で書かれているように、経済格差が生じている、というのは確かに感じた。
高層マンションが建ち、新しい家がどんどん出来ている。
私が生まれた町ではどんどん土地買収が進んで、数年後には巨大複合商業施設も出来るらしい。

そりゃ、私が子供の時から、
「良い塾→良い中学→良い高校→良い大学→良い会社→・・・」
・・・なんていう言葉が横行していましたから、高層マンションに住んで、巨大複合商業施設でお買物が出来る人たちは、親や先生の言うとおりの「良いコース」を道踏み外さずに歩んできた人達。
今さら、そういうコースを歩まなかった私がどうこう言えるもんじゃない。
・・・ってか日本にいないからいいんだけれど。


以前、イスラエル人と話をしていて、
「どうして日本はそんなに栄えているのか?」
という話題になりました。

島国で資源が乏しいのに、ここまで栄えるのは、頭がいいからなのか? 
日本に住んでいるのは日本人だけだからなのか?

そうじゃない。
日本には、職業差別がないからです。

「え、あるじゃん」って思った方。そりゃ、ありますよ。あるにはある。
でもその差別は他の国の職業差別とは比べ物になりません。

私の母はハンダ工で今でも家で内職をしている。父は長年ドライバーで、定年になった今は資源回収の仕分けのバイトをしている。母の友人は午前は近所のビルの掃除パートをし、午後は趣味やスポーツに時間を費やしている。
中学時代の友人は、某引越しセンターのプロ掃除をしているし、小学生の娘がいる友人は、食品工場でパートをしている。

日本人がコレを聞いても「だからなんですか?」って思いますよね。
誰もがそれを仕事として受け止め、誰も恥ずかしいこととは思わない。
逆に、「定年後でも仕事があったり、手に職があるから自宅で内職ができるなんて、とってもうらやましいですね」って思うでしょう?


そう。これらを胸張っていえるのは、世界でも日本だけだと思うんです。


日本のかなりのビルに、清掃会社からスタッフが派遣で来ています。
トイレ清掃中。トイレに入ろうとドアを開けた人は、「あ、掃除中でしたか。スミマセン」と謝って出て行く。
掃除スタッフが掃除するんだから汚して構わない、とは誰も思わない。日本のトイレの床にはペーパーが散乱していないし、ゴミ箱のゴミもキレイに入っている。

日本の工場の工員には、作業する者として意見を言える場があり、管理者はその声に耳を傾けながらよりよく作業を出来る方法を見つけていく。だから作業者にプロ意識が湧いてくる。
プロ意識を持って働くからミスが少なく、明日も効率よく働くために、作業が終了したらキレイに掃除をし、使った工具を磨いて帰る。


他の国ではどうか。
掃除・工場の工員・単純な農作業など、イスラエルでは、「言葉が出来ない移民者」「学歴が低い人達」の仕事。
他の国では、移民・学歴に加えて、「出身や家柄が悪い者」の仕事。

こういった職業に就く人にインタビューをしても、「この国に移民する前、私は大卒で◎◎をしていたのに、今はこんな仕事しかない」「もっといい仕事がしたいけれど、私は○○系だからコレしか出来ない」とふてくされて答える。

従事する人間は、「どうせこんな仕事しか俺には出来ない・・・」と仕事に絶望感を抱きながら働く。「どうせ・・・」と思うからその程度の仕事しかしない。
そして世間は、「そんな仕事」とバカにする。思いっきり態度に出る。
どの国でもトイレが汚いのは、「どうせ私は・・・」と思う人が掃除をし、「どうせ・・・」と蔑視する人が使うから。
工場なんてもっと大変。
雇用主や指導側が、「こんな仕事しか出来ないヤツら」と工員をバカにして、工員が、「こんな仕事しか俺にはない」と、仕事に絶望感を抱いている状態。
どう考えても良い製品が出来るわけがない。不良品や欠損品が多くて当たり前。

どんなにすごい商品を開発しても、作る者がいい加減なら意味がない。
どんなにすごい商品を売っても、ゴミだらけで悪臭がする店では台無しです。


日本製品がなぜ優れているのか? 日本がなぜ栄えるのか?

日本には職業に貴賎がなく、お互いがお互いの仕事を尊重しあい、どの職業に就く人も、仕事のプロとしてプライドを持ってやっているからなのです。

そしてこれは、世界でも類を見ることない、日本の思想なのだ、と。
考えてみればスゴイ。貴族に士農工商そして華族・・・と身分差別が続いたこの日本が、戦後そういったシキタリがきれいさっぱり消えたと思ったら、職業差別が全くない世の中になっているんですから。
アタシって、よほど国粋主義。そのくせ在イスラエル。

私から日本の学校教育の話を引き出そうと思っていたその人は、なんだか調子が狂ったような顔をしていました。


話が長くなりましたが。


ちょうど日本にいる時、介護問題の特集をやっていました。
日本も老人介護人が足りないから、フィリピンから出稼ぎを入れようという話。


日本に外国人労働者を入れてどうなるか。
なんかこういうバランスがガラガラと崩れる気が怖いと思いませんか。
「あれは安く働く出稼ぎワーカーの仕事」

そう。同じような品質で百円均一で買えるものならば、わざわざスーパーやコンビニで198円で買わない、というのと同じ現象が生じてしまう気がするのです。
もちろん、「お金を倍払ってでも、日本人のプロ介護士に看てもらいたい」というお金持ちも多いだろうけれど。


フリーターをどうしたらいいか?と言っても解決法はなく、
外国人労働者の受け入れ枠を広げざるを得ない状況となり、
街はどんどん栄え、高級高層マンションが建ち、専門店が立ち並ぶ。

日本ってどんな風になるんでしょう。
大丈夫だよね?
posted by Heshbonit at 19:00| 真面目なたわごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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