2009年12月18日

タダほどステキなものはない

イスラエル人はタダが好きだ。

タダ、無料、2個買えば3個目はタダ、1個買ったら2個目はタダ。
もう安いだのタダだのという文字を見ると大喜び。

とはいえ、この国のタダなものはロクなものがないことが多い。
タダじゃなくても、安いからと商品を手に取ったら賞味期限ギリギリだったり、破損欠損品だったりとか(見切り品じゃなく、セール扱いで売り切ろうとしている)。

日本ではティッシュやらシャンプーやらを道で配っているけど、同じコトをイスラエルでやったら誰もが「そのカゴの中の、全部くれ」ってことになるだろう。
ってかそれ以前の問題で、配る人間が自宅に皆持って帰るだろう。
だが、日本にはないが、イスラエルでタダで配っている凄いものがある。

新聞。
号外じゃない。ちゃんとした日刊新聞。

2007年から発行され、当時はワリと細々だったが、大手の会社が広告を出すようになり、ページ数もも構成も、イスラエル三大新聞に引けを取らない。
金曜・祝日版はちゃんと別刷りの読み物やら文化関連情報などが付く。
配布場所は、バスステーションやショッピングモール、病院、ガソリンスタンドなど。最近ではマンションなどにも配達したり、うちの村にも配達に来るほど。
そんなこんなで、今では発行部数が250万部を突破して、イスラエルのシェアが26%になり、第二位になってしまった。
通常の有料新聞は、平日が約100円、金曜・祝日版が230円位。それがタダだったら誰だって嬉しいでしょ。

こうなると元来の三大新聞のうちの2社、黙っちゃいられない。
タダで配布なんてそのうち消えるだろうと思っていたが、ぐんぐん伸びているんだから、発行部数は落ちつつある。ただでさえネットの普及で読む人が減っているっていうのに。
(残りの1社は、インテリぶった左翼の人向けの新聞で、今のところはタダ新聞に影響されていないらしい)。

タダにできるのは、ユダヤ系アメリカ人の大富豪さんの資本だから。
シェルドン・アデルソン氏、世界で6番目に金持ちだとか。
...となると、このタダ新聞を阻止できるのはその一点しかない。

元来の二大新聞社が議員に働きかけて、法規制を要求しだした。

【イスラエルで発行できる新聞は、イスラエル人が発足したイスラエル資本の新聞社が発行したものに限る】

確かにそれも一理ある、っていえばあるわけ。
たとえば、湾岸あたりのお金持ちが、アルJャJーラっぽい新聞をイスラエルで発行したりしたらムチャクチャになるじゃないかとか、そういうことに引っ掛けて法律を作ってしまえ、と。

でも、このタダ新聞、読みやすいんですよ。
三年前までは、最大手社の金曜・祝日版だけは購読していたけれど、乱丁は多いし、内容にも「はぁ?」っていうのが多いし、ネットで読んだ方が早いし...ってことで止めました。
それに比べたらタダ新聞、かなり読みやすい。まぁ、タダだからこんなもんかって思えるからともいえるけれど。
過去に報道関係の仕事をしていた人や、各新聞社にいた記者や特派員らが入り込んでいるそうで、素人が集まって勝手にやっているわけじゃないらしい。

イスラエル国外に住んでいる金持ちユダヤ人は、こうしてイスラエルに尽くすことで、ある種の精神的な禊をする傾向にあるようです。
ユダヤ人として生まれ、本来ならユダヤ人の国に住むべきなのだがそれができない(したくない)、それならば何か善行でもしなくちゃいけないんじゃないか、と。

何にせよ、法規制は無理でしょう。是非とも、継続していただきたい。
品質がよいタダは大好きですから。
   
posted by Heshbonit at 23:00| イ国のニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。